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<福島廃炉への道>燃料取り出しに向け調査を開始

2号機原子炉建屋内部を調査するロボット=7月3日(東京電力提供)

7月1日〜31日

【7月】
2日  東京電力は2号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出しに向け、プール上部につながる原子炉建屋最上階で空間放射線量などの調査を始めた。
6日  水素爆発で亀裂が入った1、2号機共通排気筒(高さ120メートル)の上半分の解体を12月に始めると公表した。工期は1年。空間線量が高いため、大型クレーンでつり下げた装置を遠隔操作して作業する。
12日  1号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出しに向け、水素爆発で原子炉建屋最上階に散乱するがれきの3次元計測などの調査を始めた。がれきの撤去計画に反映させる。
14日  3号機の使用済み核燃料取り出し用クレーンの試運転を約2カ月ぶりに再開した。5月11日に起きた異音トラブルの原因特定と部品交換が完了した。26日には燃料取り出しを当初計画の範囲内の11月に始めることを発表した。
18日  建屋周辺への地下水流入を抑える凍土遮水壁のうち、凍結が不十分な3、4号機近くの2カ所で、凍結を促す薬液の注入を始めた。9月末に完了予定。
25日  原子炉格納容器内部の詳細調査について、1号機は2019年度上期、2号機は同下期に実施すると発表した。1号機には潜水ボート型、2号機にはアーム型の調査装置を投入。溶融核燃料(デブリ)を含む堆積物の分布状況などを確認し、少量を試験的に採取する。2号機では18年度下期に格納容器につり下げ型の装置を入れ、小石状のデブリが動かせるかどうかを確かめる。
 17年の調査で1、2号機の原子炉格納容器内部から採取した堆積物を分析した結果、微量のウランが検出されたと発表した。原発事故で溶融に至った核燃料に由来すると考えられる。
 建屋周辺の地下水をくみ上げて汚染水の発生を抑える井戸「サブドレン」の一部で、水位のデータが免震重要棟に届かず、遠隔監視ができなくなった。現場で装置の電源を入れ直し、復旧させた。原因は調査中。
27日  第2原発のPR施設で現在は休館中の富岡町の「エネルギー館」を「廃炉資料館」に改装し、11月に開館すると発表した。

◎原子炉建屋の内部調査

Q 2号機原子炉建屋最上階の調査が始まった。そもそも、どんな場所か。
A オペレーションフロア(作業床)と呼ばれる建屋5階。原子炉格納容器と使用済み核燃料プールの上部につながっている。天井クレーンなどを使って核燃料の交換を行っていた。
Q 調査目的は。
A 2号機は水素爆発を免れて建屋上部が残った。プール内の燃料615体を取り出すには、建屋上部の解体が必要。調査で建屋内の空間放射線量などを確認し、解体計画に生かす。
Q 調査は進んだか。
A 建屋西側の壁面に設けた開口部からロボット2台を投入。障害物が少ない作業床南西部で、空間線量のほか、壁や床の表面線量、放射性物質を含むちりの量を測定した。
 空間線量は最大毎時59ミリシーベルトで、2012年6月の前回調査より減衰していた。東京電力はロボットの活動に支障はなく、調査は継続可能と判断した。
Q 東電はロボットが撮影した映像を公開した。
A 内部は湿度が高いとみられ、天井クレーンの塗装が劣化し、うろこ状に剥がれていた。14年3月の調査で投入し、障害物に引っ掛かって立ち往生した別のロボットも確認できた。
Q 今後の方向性は。
A 8月下旬から遠隔操作の重機を使い、フェンスなど障害物を撤去する。その後、調査範囲を作業床全域に広げて空間線量などを測定する。


2018年08月03日金曜日


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