岩手のニュース

漆産地に一関も名乗り 樹液抽出 国内初の機械化

機械による漆採取に挑む鈴木さんと、漆の木を種から栽培する畑

 漆生産量日本一の岩手県で北の本場・二戸市に続き、南の一関市で産地化の取り組みが始まった。機械で樹液を抽出するという前例のない構想だ。未来の技術で国宝などの修復に使用が義務付けられるようになった国産漆の増産を目指す。
 一関市大東町に進出したのは、漆器などを手掛ける浄法寺漆産業(盛岡市)。今年1月に現地事務所を開設し、地元の鈴木英也さん(66)を所長に迎えた。
 鈴木さんは現在、成木まで成長する割合が低いとされる漆を種から育てる実証栽培に取り組んでいる。「漆畑」の周辺には漆の老木が多く残っており、かつては漆産業が盛んだった土地柄をしのばせる。
 二戸市では、15年以上年輪を重ねた漆の成木に切り込みを入れ、しみ出た樹液を職人が地道にかき集めている。
 ところが一関市での試みは、伝統の手作業と好対照の最先端技術を採用。沖縄高専が開発した機械を使い、衝撃波で漆の木を破砕して樹液を採る方法だ。農林水産業みらい基金(東京)助成事業にも採択された。
 手作業でかいた漆の品質に対抗するには精製技術を高めなければならないが、7〜8年の若木でも漆の抽出が可能で、品薄状態の漆の早期増産が期待できる。
 浄法寺漆産業は既に大東町内に工場用スペースを確保しており、2020年の本格稼働を目指す。漆の木を作付けする農地も一関市内に約1ヘクタールを見込んでおり、さらに栽培農家を増やしたい意向だ。
 鈴木さんは「これまでネックになってきた『漆かぶれ』も機械化で解消されるのではないか。需要増が期待されるので、多くの農家に参加してほしい」と呼び掛けている。


関連ページ: 岩手 経済

2018年08月04日土曜日


先頭に戻る