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<高校野球 100回を語る>(下)プロ球団誕生刺激に 前福島県高野連理事長・宗像治さん

[むなかた・おさむ]1953年生まれ。71年夏の甲子園で「2番・中堅」として磐城の準優勝に貢献。早大卒後、福島北監督として88年選抜大会に出場し、1勝する。2004年から福島県高野連理事長を10年間務め、現在は選抜大会の選考委員などを受け持つ。いわき市出身。

 全国高校野球選手権は5日、100回大会が幕を開ける。東北勢は第1回大会の秋田中の準優勝以来、多くの選手や指導者の努力で、悲願の優勝旗に肉薄してきた。東北の高校野球発展に携わった2人に、節目の大会開催に当たっての思いを聞いた。(聞き手は野仲敏勝)

◎71年夏の福島・磐城準優勝メンバー

<高レベル>
 −全国高校野球選手権の大会本部で本部員(出場校の引率などを担当)を務めて6年目になる。
 「夏の甲子園に行って高野連関係者によく言われるのは、『東北はレベルが高いね』ということだ」
 「実際、夏の甲子園の過去10年の成績を見ると、全国10地区の中で、毎年ベスト8に進出しているのは東北地区だけ。しかも、6県全ての代表校が1度はベスト8入りしている。これは同じ6県で構成する近畿地区でもないことだ」

 −全国の関係者が驚く部分とは。
 「菊池雄星や大谷翔平という好投手(ともに岩手・花巻東)を輩出していることもあるが、攻撃に迫力が出てきたことに驚かれる。仙台育英、聖光学院(福島)八戸学院光星(青森)や、今年は代表にならなかった盛岡大付(岩手)など。花巻東も『県内の選手だけでやっているのはすごい』と評価は高い」

 −攻撃力が付いた要因は。
 「一つはプロ野球の東北楽天ができたことだ。元プロ野球選手のアカデミーコーチが東北を巡回し、小中学生を指導している。間近でプロ野球の試合を見られる環境も大きい」
 「さかのぼれば、1991年の東北福祉大の全日本大学選手権初優勝だろう。当時の伊藤義博監督から『東北人の粘り強さと、関西人の積極性が融合して、東北福祉大は強くなった』と伺ったことがある。これに刺激を受け、関西地区から生徒を集める高校が増えた。東北全体の高校野球の質が変わった」

 −71年に磐城が夏の甲子園で準優勝した時は4試合1失点と守り勝つチームだった。
 「当時はエースが一人いて、1点を工夫して取る野球だった。しかし、74年の金属バットの登場で野球が変わり、池田(徳島)の『やまびこ打線』に代表される打ち勝つ野球になった。今はさらに進み、無死一塁でも送りバントはセオリーじゃなくなった」

<投手力 鍵>
 −そういう中で東北勢が優勝するには。
 「やはり決勝までいくとエース一人ではきつい。2番手、3番手をどう育てるか。それには部員数の多さが必要で、強豪私立が有利になる。弱ってきた相手投手を打ち崩す攻撃力も重要になる」

 −今年の東北の代表校に対する期待は。
 「甲子園で準優勝を経験している学校が仙台育英、八戸学院光星、花巻東と3校もある。聖光学院は最高はベスト8だが、12年連続出場で経験は豊富だ」
 「八戸学院光星の仲井宗基監督、聖光学院の斎藤智也監督は高校日本代表などのコーチ経験もあり、全国の優秀な高校生を見ている。その経験も還元してほしい」

 −いよいよ100回大会が始まる。
 「出場校が増えたので、例年より大会期間が2日延びる。今年は特に暑さもあるので、コンディションづくりに気を付けてほしい。どうやれば勝てるか、それは彼らが分かっている」


2018年08月05日日曜日


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