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<宮城県北農協再編>合併効果は不透明 古川抜け規模さらに縮小

 宮城県北部の農協再編構想は、古川農協(大崎市)が合併推進協議会を脱退し、5農協で来年4月の合併実現を目指すことになった。離脱はいしのまき(石巻市)加美よつば(色麻町)に続き3カ所目。推進協は「合併は不可避」と強調するが、縮む構想はスケールメリットを生かせるのか。先行きは見通せない。

<相次ぎ離脱>
 仙台市内で7月31日にあった推進協常任委員会。栗っこ(栗原市)南三陸(南三陸町)あさひな(大和町)いわでやま(大崎市)みどりの(美里町)の各農協組合長らは、古川の離脱を受け入れ、5農協での結束を確認した。
 古川は前日の30日、理事会で「メリットが見えず、協議の時間が欲しい」と離脱を決定。背景には新農協の本店が栗原市に決まったことや、22人の理事が6人に減ることへの不満もあったとみられる。離脱を主張した理事は「将来的に古川の意見が通るのか不安もあった」と本音を打ち明けた。
 推進協は昨年7月、8農協で発足したが、古川を含め3農協が離れた。脱退した農協の幹部は「財務状況も営業スタイルも決済システムも違う。それを乗り越えるのが精いっぱいで、肝心の合併後の戦略が描けていない」と言う。

<先行き憂う>
 3農協の離脱で新農協の経営規模は当初計画よりも小さくなる。8農協で316億円(2016年度実績)だった米穀販売高は、5農協の枠組みでも全国トップをかろうじて維持するものの、179億円(17年度実績)に減る。米穀を含む販売品販売高は594億円から330億円に、6万3900人の正組合員数は3万7507人に減少する。
 推進協の大坪輝夫会長(みどりの農協組合長)は「メリットはあるのかとの声はどこにもあるが、メリットは合併して自らつくり出すものだ。肥料が安くなるなどと今から約束はできない」と強調。いわでやま農協の鈴木千世秀(ちよし)組合長も「財務基盤をしっかりさせることが、組合員の最大のメリットだ」と言い切った。
 相次ぐ脱退の余波は、残る農協内にもくすぶる。離脱を訴える理事の一人は「合併ありきで突き進んできたが、合併のへそとも言える古川が抜けては意味がない」と先行きを憂う。
 「遅かれ早かれどこの農協も財務が悪化する可能性が高い。単協でやっていくという選択肢はない」とけん制するのは栗っこ農協幹部。「将来の地域農業を考えれば、合併は避けて通れない道だ」と自らに言い聞かせるように語った。


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2018年08月07日火曜日


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