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<気仙沼・防潮堤施工ミス>県のかさ上げ案を拒否 住民団体、造り直し要望

防潮堤の造り直しを求めて会見する菅原会長(中央)ら

 気仙沼市内湾地区の防潮堤高を県が誤って22センチ高く施工した問題で、同市の住民団体「内湾地区復興まちづくり協議会」は7日、市役所で記者会見を開き、背後地をかさ上げして陸から見た防潮堤高を抑える県の対応案を受け入れず、再度造り直しを求める方針を示した。
 協議会の菅原昭彦会長は理由として(1)県に対する不信感(2)かさ上げ工事に伴い市の土地区画整理事業が少なくても2週間遅れる(3)区画整理事業内の土地と道路に最大75センチの段差ができる−などを挙げた。菅原会長は「地権者の反対は根強く、(かさ上げ案を)認めることはできない。県の誠実な対応を待ちたい」と述べた。
 住民は施工ミスの発覚当初から防潮堤の造り直しを要望。県は費用の問題などを強調し、求めに応じていない。

◎「不誠実で乱暴」知事・県への不信感根強く

 防潮堤の施工ミスを巡って気仙沼市の住民団体「内湾地区復興まちづくり協議会」が県の提案を拒んだ背景にあるのは、東日本大震災の直後から続けてきた防潮堤高を巡る議論が無視されたことへの不満だけではない。問題発覚後の村井嘉浩知事の姿勢などに住民は強い不信感を抱いている。
 7日の記者会見で協議会が配ったA4判3ページの「魚町地区防潮堤工事施工ミスの県の対応に関する協議会としての見解」。うち2ページは村井知事や県への不満に割かれた。
 村井知事が5月18日にあった協議会の会合で住民が選択した造り直しを覆し、「反対もあるがサイレントマジョリティー(声なき多数派)がいるのも事実」と述べた件や、知事会見でパネルを使って「22センチ」の低さを強調した例を列挙。
 昨年3月に職員が高さ表記の誤りに気付いていたことを県が7月2日に県議会に報告しながら、2日前にあった地元の説明会で伝えていなかったことに対する批判も書かれた。
 見解は「事故を起こした責任のある加害者から損害を受けた住民に対しての発言、進め方として不適切」と誠意を欠く対応を非難。「県民と県との信頼関係を大きく損なう事案。深い失望感を覚えている」と結んだ。
 菅原昭彦会長は「県の不誠実で乱暴なやり方が不信感につながった」と指摘。会見に出席した魚町2区自治会の藤田淳逸会長は「造り直しは内湾地区の総意だ。住民の要望が本当に知事に伝わっているのか疑問が残る」と話した。
 村井知事は「記者会見の内容については、あらためて菅原会長から話を伺った上で、県としての対応を考えたい」とコメントを出した。


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2018年08月08日水曜日


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