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大館市が枝豆産地化を推進 寒暖差で甘く、香りも良し

大館産の枝豆(右)を使用した「えだまめモナカ」。パッケージに秋田犬を描き土産品として売り込む

 大館市で枝豆の産地化に向けた動きが活発化している。昼夜の寒暖差が大きい秋田県北部は枝豆の甘みが強くなる特性に着目。農家の間では生産量の拡大と品質向上に向けた取り組みが広がり、地元菓子店などは独自商品の開発に力を注ぐ。「えだまめのまち大館」を打ち出し、さまざまな形で魅力を発信している。

 秋田県は国内有数の枝豆産地。2015年と16年には、2年続けて東京都中央卸売市場で全国一の出荷量を達成した。
 県全体の栽培面積約925ヘクタールのうち大館市は約250ヘクタールを占める。県北特有の寒暖差の大きい環境で育った枝豆は、県内の他産地と比べ甘みが強く香りが良いという。
 農事組合法人えつりファームなど市内四つの生産者は今年4月、約60ヘクタールの畑を新たに整備し、枝豆増産の環境を整えた。収穫期が異なる8種類を生産して市場ニーズに柔軟に対応できるようにした。比内地鶏のふんを使った堆肥など地域資源を活用する。
 えつりファームの兜森(かぶともり)和雄社長(68)は「他産地よりも秋田の枝豆は価格帯が低い。品質向上が大きな課題だ」と話す。
 あきた北農協(大館市)も18年度の生産量を増やし、売り上げを前年度比約4割増の3億5000万円に設定している。
 生産体制の拡充が進む中、6次産業化を推進する動きも出てきた。
 市内七つの和・洋菓子店は15年、枝豆を使った商品開発に取り組む「倶楽部(くらぶ)スイーツ」を設立。共同開発した「えだまめモナカ」は大館産の濃い甘みをあんに生かし、パッケージに秋田犬を描くなど土産品として売り出している。
 代表を務める大鳳堂の大塚勇喜さん(46)は「地域一体で作った商品はストーリー性もあり、今後も開発に力を入れたい」と言う。
 一般社団法人秋田犬ツーリズム(大館市)は、市場に出ない規格外品を活用。朝に収穫された枝豆をその日のうちに甘酒や乾燥豆に加工し、食味や栄養価の低下を抑える工夫を重ねた。
 昨年には健康志向が高まるオーストラリアやシンガポールへ輸出を始めた。国内の観光客向けの土産品の開発にも着手する。阿部拓巳専務理事は「海外は枝豆の認知度が高く、販路拡大の下地はある」と言う。
 今後は県全体で枝豆の増産が進み、競争激化が予想される。大館商工会議所の斎藤研太工業振興課長は「大館産の魅力が詰まった商品を発信した上で、地元消費を広げ足場を固めることが重要だ」と語る。


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2018年08月08日水曜日


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