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南三陸のミズダコ籠漁不漁「これだけ取れないのは珍しい」漁獲量は昨年の3割、海水温の上昇が原因か

漁船から水揚げされるミズダコ=3日、宮城県南三陸町の志津川港

 宮城県南三陸町でミズダコの籠漁が不漁にあえいでいる。籠漁が始まった7月の漁獲量は昨年の3割で、8月に入っても低調のままだ。不漁の影響で取引価格が2倍近くに高騰し、地元の水産業関係者に深刻な打撃を与えている。

 7、8月は三陸沖の底引き網漁が休漁となり、水深100メートル以上の海中に仕掛けた網籠で取るミズダコ漁が主力になる。町地方卸売市場によると、7月の漁獲量は34.5トンで昨年の94.5トンを大きく下回る。1日当たりの漁獲量の最高は昨年が9.2トンだったが、今年は3トンにとどまる。
 8月は水揚げが1トンに満たない日が多い。松島丸の船頭を務める星勇さん(51)は「7月の出だしから水揚げが低調で、その後もじわりと減っている。漁を長年しているが、これだけ取れないのは珍しい」とため息を漏らす。市場関係者は「不漁と聞いて操業を控えている船もある。ミズダコとは違う魚種の漁に流れている」と話す。
 一方、取引価格は高騰状態で推移している。7月の1キロ当たりの平均価格は1001円で、昨年の522円の2倍近く。8月に入っても高値で1000円を付ける日もあり、価格高騰が収まる気配はない。
 町内の水産加工会社「マルセン食品」の三浦洋昭社長(59)は「取引価格が想定外に高く、商品の価格を引き上げざるを得ない。この時期にタコが取れないと加工用の原料確保に支障が出る」と表情を曇らせる。
 不漁の要因について、県水産技術総合センター(石巻市)の永島宏所長は「ミズダコは冷水性の動物。三陸沖の海水温が上昇しており、高温の水域を避けている可能性がある」と指摘する。


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2018年08月09日木曜日


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