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<秋田木工>曲げ木家具、若い力続々 大塚家具傘下入り12年、販路が安定

今春入社した女性職人。中堅が少なく、ベテランから若手への技術継承が課題という

 国内唯一の曲げ木家具専門メーカーの秋田木工(湯沢市)が若手職人を増やしている。同社は大塚家具(東京)の完全子会社。経営難から傘下に入った2006年以降、製品のほぼ全量を大塚家具に納入し、販路が安定して採用を再開できたためだ。救いの手を差し伸べてくれた親会社が経営不振にあえぐ中、秋田木工の職場では若手が着実に技を受け継ぐ。

 湯沢市関口の雄物川沿いにある秋田木工の組み立て部門。椅子を担当する70代のベテランのそばで、10代の新入社員がテーブルの脚に部品を取り付ける。
 新人の鈴木里佳子さん(19)は地元でものづくりに関わりたいと入社した。「先輩に学びながら少しずつできることを増やし、将来は自分が考えた椅子を作りたい」と話す。
 社員約80人はかつての採用抑制が原因で40、50代が少ない。10、20代が全体の約3割を占め、60代以上から若手への技術の継承が課題に挙がるほどだ。
 同社は1990年代に経営難に見舞われた。97年に会社更生法の適用を申請。自主再建を目指したが2006年に断念し、大塚家具の子会社になった。ブナやナラを用いた曲げ木の高い技術も、バブル経済崩壊後の不況や低価格輸入品の攻勢になすすべがなかった。
 大塚家具に販売を委ねて製造に特化したことで経営がスリムになった。傘下になってからは、大塚家具の顧客が発注したセミオーダーの家具製作を受け持ち、存在感を示してきた。
 ヒット商品も生まれた。ダイニングチェア「No.005」は曲げ木の技を生かしながら直線的なデザインを取り入れ、現代の暮らしに合わせた。風巻穣専務は「大塚家具とキャッチボールをしながら製品開発を進めている」と言う。
 大塚家具が抜本的な経営再建策の検討に入ったとの話も聞こえてくるが、丹精込めて仕上げた家具に愛着を持ってくれる人々の存在が、ものづくりに向き合う秋田木工の誇りであることは揺るがない。
 同社はJR秋田駅の待合ラウンジに採用された曲げ木の椅子が好評なことから、希望者に直接販売する取り組みも昨年始めた。若手職人の活躍の場が広がる可能性を秘めている。

[秋田木工]1910年設立。高温で蒸した無垢(むく)の木材を鉄枠にはめて曲げる「曲げ木」を専門とする家具メーカー。切削、研磨、塗装といった工程もある。2006年にジャスダック上場の家具販売大手、大塚家具の100%子会社となった。資本金7700万円。


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2018年08月09日木曜日


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