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古里の復興見守って 福島・大熊でナシ農家納骨式

先祖代々の墓がある墓地は今も立ち入りが規制され、家族は防護服を着て納骨した=福島県大熊町

 「お父さん、やっと古里で眠れるね」。東京電力福島第1原発事故で被災し、避難先の千葉県で昨年8月に亡くなった果樹農家関本信行さん=当時(55)=の納骨式が福島県大熊町であった。「先祖代々の墓に」という信行さんの思いを家族が酌んで実現した。
 納骨した7月22日、大熊町は35度を超える猛暑。墓地のある下野上地区は避難指示が続き、妻の典子さん(47)と3人の子どもは白い防護服姿だった。
 汗を拭いつつ手を合わせた典子さんは「たくさんの人に助けられて、お父さんの大好きな大熊に連れて帰ることができました」。
 信行さんは100年以上も特産のナシを栽培してきた農家の4代目。避難後も「古里の味を守りたい」と頑張り、千葉県香取市でナシの栽培を再開していた。
 原発事故当時、小学生だった子どもたちにとっては初の一時帰還。家族の思い出が詰まった自宅やナシ畑にも足を運んだ。
 この春、大学に入った長男の元樹さん(18)は「何もかも荒れてしまった」。変わり果てた故郷に接しながらも「いつか父のようにナシを作りたい」。
(写真部・川村公俊)


2018年08月10日金曜日


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