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<あきたクルーズ号>出足快調 行程や時間、自由度アップ

あきたクルーズ号に乗り込むクルーズ船の乗客ら=3日、秋田港駅

 秋田港(秋田市)に寄港したクルーズ船の乗客を運ぶJR東日本の専用列車「あきたクルーズ号」が快走している。港からの新たな2次交通の手段として、宿泊を伴う北海道・東北周遊の旅行商品の開発も進む。寄港回数が増すほどに列車の存在感が高まりそうな状況を生かし、関係者は「秋田を広域観光の玄関に」と意気込む。

 秋田竿燈まつり初日の3日朝、クルーズ船「ぱしふぃっくびいなす」(2万6594トン)が秋田港に入港した。下船した客の多くはバスを利用したツアーで観光地を巡ったが、旅客ターミナルから約600メートル先のクルーズ列車の秋田港駅にも人の流れができた。
 「ツアーだと周囲に気兼ねする」「時間に縛られず気軽に動けていい」など利用客の反応は上々。旅行会社の担当者も「クルーズ船はリピーターが多く、珍しい列車自体が観光資源になる」と評価した。
 クルーズ列車は観光シーズン中の2次交通確保に向け、JR東と秋田県が考案した。
 列車で多くの乗客を運べるとあって、秋田港での観光バスやタクシー待ちの混雑が緩和される効果もあった。JR秋田支社の菊地正支社長は「周知が進み2次交通の選択肢になれた。利便性向上が観光客増などの好影響につながっている」との見方を示す。
 秋田駅への輸送手段で終わらせないための模索も進む。JR東は、秋田港駅から十二湖(青森県深浦町)などへの直通列車を企画した。列車を乗り継いで津軽地方に宿泊。北海道新幹線で函館に行き、その間に函館港に移動したクルーズ船に戻るツアーも提案する。
 5月に逆のコースで実施し、「東北の日本海側を効率的に巡ることができた」と好評だったという。
 クルーズ船は通常、朝に寄港して夜に次の目的地へ出航する。クルーズ列車の活用で観光地への宿泊が増えれば、地域経済にもプラス効果が見込める。
 ただ現状ではクルーズ船の客が寄港先で宿泊しても、乗船料金が割り引かれるわけではない。JR秋田支社の岸利春販売促進課長は「旅行客が余計な出費を強いられることがないよう、商品開発に取り組みたい」と話す。
 県は今後、秋田港駅にクルーズ列車の待合室を整えるほか、より大型のクルーズ船に対応できる岸壁の整備も進める方針。佐竹敬久知事は「官民一体のポートセールスを強化し、アジアからもクルーズ船を誘致したい」と話す。

[あきたクルーズ号]貨物線の秋田港駅や線路を活用し、秋田駅までの8.9キロを約17分で結ぶ専用列車。昨年8月に試験運行し、今年4月にクルーズ船の寄港などに合わせて本格運行を始めた。本年度は計12日間運行の予定。大型船寄港の際は別の車両も使う。仙台港でも9月に同様の特別列車が運行する。


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2018年08月14日火曜日


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