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聖火リレーわが町へ 福島の市町村、ルート選定に熱視線 広い県土 県の調整難しく

地元が聖火リレー実施を求める国道6号。一部区間は帰還困難区域にあり、現状ではランナーは走れない

 2020年東京五輪・パラリンピックで、福島県は聖火リレーのルート選定作業に着手する。全国を回る聖火リレーのスタート地点となる県内のリレーは20年3月26日から3日間。「復興五輪」を掲げ、広い県土をどう効率よく回るか。各市町村がルート誘致を熱望しており、難しい調整が必要になりそうだ。
 ルートは県が今月24日に設立する実行委員会が選定する。12月末までに大まかな案を取りまとめ、大会組織委員会に提出。組織委は来年夏にも最終的なルートを公表する。
 県によると、組織委は1日6、7区間を走り、1区間を13、14人のランナーがつなぐという目安を設けている。受け持ちは1人当たり200メートル。目安通りなら最長でも1日18キロ程度に限られ、広い県土は回りきれない。
 秘策がある。一部を車でつなぐ方法だ。ランナーは市街地だけを走り、他は車で移動することが可能。回れる範囲はぐっと広がり、市町村の担当者らは「わが自治体も」と熱望する。
 東京電力福島第1原発事故で大きな影響を受けた浜通り地方は熱心だ。
 いわき市と双葉地方町村会は16年9月、地元での実現を組織委などに要望した。同市など3市町は今年10月、小中学生が聖火に見立てたトーチをつなぐ「トーチリレー」を企画する。
 浜通りを縦断する国道6号は、富岡町−浪江町間の約14キロが帰還困難区域に含まれ、現状ではランナーが入れない。いわき市の担当者は「6号がルートとして決まれば、区域の除染も進む。何とか実現させたい」と語り、地域の復興を聖火リレーに託す。
 中通り地方では、野球とソフトボールの一部試合会場となる県営あづま球場が福島市にある。木幡浩市長は「スタートの地点にふさわしい」と強調する。
 会津地方でも、タイのホストタウンとなる会津若松市の担当者が「聖火が走れば機運が高まる。ホストタウン成功のためにも聖火リレーを」と訴える。
 高まる各地の期待に、内堀雅雄知事は7月の定例記者会見で「多くの地域や人々に参加してもらえるよう知恵と工夫を重ねたい」と述べた。

◎64年五輪は中通りを南下

 1964年東京五輪で、福島県内の聖火リレーは中通り地方を走った。宮城県境の国見町から国道4号を南下し、西郷村から栃木県へ。約118キロを3日間で若者を中心に1633人がつないだ。
 聖火リレーを模したリレーでは、東日本大震災の被災地を青森から東京までランニングと自転車でつなぐ「未来( あした )への道 1000km縦断リレー」がある。東京都などが2013年から主催。今年は7月31日〜8月4日に県内であった。
 こちらは宮城県から浜通り地方に入り、帰還困難区域を避けるように中通りに進み、再び浜通りのいわき市につなぐ約250キロを走っている。


2018年08月15日水曜日


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