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<岩手県次期総合計画>「県民の幸福」理念ふんわり、地域格差くっきり 市町村長から注文続々

達増知事と沿岸地域の首長が一堂に会した意見交換会=3日、釜石市

 岩手県次期総合計画(2019〜28年度)の策定に向け、達増拓也知事と県内全33市町村長の意見交換会が県内を一巡した。「県民の幸福を守り育てる」という抽象的な理念や地域格差の現状に、首長からはさまざまな注文が飛び出した。
 「かつて県は『畜産で500億円稼ぐ』とうたったこともある。それに比べインパクトに欠ける」。青木幸保平泉町長は県提出の素案をこう評した。
 心の豊かさを追求するという理念に理解を示す首長は多い。ただ「『幸福』という主観的な心情を、いかにして施策化するか」(上田東一花巻市長)がどうもふに落ちない様子だ。
 小沢昌記奥州市長は「絶対値ではなく相対値で『あの人より幸せ』『人の幸せは他人の不幸』と見る人もいる」と持論を展開。「間違った捉え方をされないようにしなければならない」とくぎを刺した。
 首長は限られた財源で日々、自治体経営に頭を悩ませている。遠藤譲一久慈市長は「県内でどんどん道路整備が進み、置いていかれるのを強く感じている」と地域の悩みを吐露した。
 県の県民意識調査によると「幸福を実感している」と回答した人の割合は、県北地域が49.0%で県内最低だった。県北地域の首長は声をそろえて、企業集積が進む県南地域との経済格差を指摘する。
 藤原淳二戸市長は「知事は『ダイナミックな事業が少ないから』と言うが、県北でできるダイナミックな事業とは何か。一目で分かるアドバルーンを上げてほしい」と迫った。
 東日本大震災からの復興途上にある沿岸地域の首長も道路整備を訴えた。沿岸部を貫く三陸沿岸道は復興道路として整備が加速しているが、戸羽太陸前高田市長は「横軸道路の整備が遅れている」と強調した。
 現在、国道4号沿いに集積している企業も横軸道路が整備されれば、道路に沿って分散されるという考え方だ。
 終始、聞き役に徹した達増知事は「総計が目指すのは県民の暮らしの向上。これを可視化するため岩手ならではの幸福指標を取り入れたい。もっと議論を重ねなければならない」との見方を示す。


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2018年08月17日金曜日


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