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<転機の米作り だて正夢、市場へ>(中)販売戦略/ブランド化首都圏照準

木徳神糧の幹部にだて正夢をPRし、販売展開の助言を求める宮城県の担当者=7月中旬、東京都千代田区

<大手から助言>
 だて正夢の名称とシンボルマーク入りの法被を着た宮城県の担当者が7月中旬、東京の大手米卸「木徳神糧」に足を運んだ。新品種を売り込む一方、首都圏での展開について同社幹部に意見を求めた。
 「他県の新品種も出る中で、どういう場所でPRするのが望ましいでしょうか」。こう切り出した県食産業振興課の橋本和博技術副参事に、同社の三沢正博専務は「有名百貨店でのアピールだけで終わると浸透はしない」と言い切った。
 2017年から18年にかけて新之助(新潟県)や雪若丸(山形県)など全国の米どころで新品種のデビューが相次ぎ、高価格帯はライバルがひしめく。生き残るには、首都圏での知名度アップが欠かせない。
 三沢専務は「対面販売でだて正夢の品質、うまさを直接説明できる機会が必要だ」と助言した。

<県内外 半々に>
 首都圏に力を注ぐ背景には、プレデビューと位置付けた昨年の反省がある。17年産の販売数量250トンのうち県外は26トン。量が少なかったことに加え、県内での売れ行きが予想以上に好調だったため県外に振り分けられなかった。
 県は、木徳神糧など大手米卸3社を通じ主要取引先の量販店などに売り込む。日本航空、全日空とも連携し、だて正夢を機内食で提供する方針。JR東日本は東北新幹線の最上級車両「グランクラス」で提供する軽食に採用する予定だ。
 18年産の作付面積301ヘクタール、生産量1500トン。17年産の53ヘクタール、250トンから増やしたが、あくまで「少数精鋭」で挑む考えだ。県農産環境課の千葉啓嗣技術補佐は「プレミアム感は必要だ。18年産は県内、県外の販売数量が半々になるようにする」と商機をうかがう。

<山形は対照的>
 だて正夢を迎え撃つ東北の他の主産地も高価格帯米の販売戦略を練る。つや姫を有する山形県。今秋市場投入するブランド米、雪若丸の戦略はだて正夢と対照的だ。
 県などでつくるブランド化戦略推進本部は7月下旬、19年産雪若丸の生産体制を発表。作付面積は18年産比1000ヘクタール増の約2700ヘクタール、生産量は6000トン増の約1万6000トンと決めた。
 19年産の生産規模は18年産だて正夢の10倍に膨らむ。県産米ブランド推進課の武田睦課長は「認知度を上げるため、量販店や米穀専門店で通年販売できる量の確保が必要だと判断した」と意図を説明した。
 ブランド米の後発組となるだて正夢と宮城県。市場で存在感を示せる販売戦略が鍵を握る。


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2018年08月18日土曜日


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