
<甲子園>金足農・吉田、4試合連続2桁奪三振 先輩超え堂々宣言「超えたいではなく、超えます」
九回のマウンドが吉田の真骨頂だった。2死一、二塁のピンチ、1点でも失えば勝負が決しかねない局面。9番瀬川に対してフルカウントからの7球目、141キロの真っすぐが膝元へ。バットに空を切らせ、この日10個目の三振を奪った。
「1点差なら何とかなる。自分が流れをつくりたかった」。その言葉通り、直後の逆転劇を呼び込んだ。
前日の3回戦まで3試合連続完投。計475球を投じてきたダメージは大きかった。朝起きたら、股関節に痛みがあった。先発回避も考えたというが、宿舎でマッサージを受けてようやく痛みが和らいだ。中泉監督に先発を志願したのは、球場に着いてからだ。
序盤はスライダーやスプリットを多投して打たせて取る投球に徹した。「いい真っすぐは終盤だけだった」。ピッチングの引き出しの多さが、失点を最小限に食い止めた。
34年ぶりの準決勝進出。あの時は桑田、清原の「KKコンビ」がいたPL学園に最後まで食い下がった。
「先輩たちを超えたいか」。愚問とも思える問いに、吉田はまなじりを決して答えた。
「超えたいではなく、超えます」
(大谷佳祐)
2018年08月19日日曜日