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<大崎市>大型工事で価格漏えいか 6億円超の旧市民病院解体、最低価格との差わずか1万円

入札前の価格漏えいが疑われる解体工事があった旧市民病院跡地。工事は完了し、道の駅の建設などが予定されている=大崎市古川千手寺町

 測量関連業務の談合が発覚した大崎市で、市発注の大型工事で価格漏えいが疑われる入札があったことが19日、分かった。落札額は6億円超だったが、応札下限の「最低制限価格」との差はわずかに1万円。近隣市と違い、工事契約の議会審議時に入札資料が添付されないことから議会のチェック機能が働かず、一部市議らが問題視している。
 問題の入札は2015年7月27日にあった旧市民病院解体工事の一般競争入札。二つの共同企業体(JV)が参加し、地元を含む3社で組むJVが落札した。
 市が公開している入札調書によると、予定価格は7億2720万円で、最低制限価格は予定価格の90%に当たる6億5448万円。落札額は1万円多い6億5449万円だった。もう一方のJVの応札額は6億6500万円だった。
 契約額1億5000万円超の案件は市議会の議決が必要だが、市は議会審議の際に入札調書を市議会に提出せず、15年8月18日に議会承認を得た。直後に着工し、その後、アスベスト撤去費などかさむことが判明し、約2億8000万円の予算が追加され、17年9月に工事は完了している。
 入札問題に詳しい五十嵐敬喜法政大名誉教授(公共事業論)は「大型工事にもかかわらず、最低制限価格に1万円を上乗せした落札額で、価格漏えいが強く疑われる」と指摘。落札したJVの幹事社は取材に「担当者が休暇中でコメントできない」と回答した。
 隣接する栗原市や登米市では、議会での工事契約の審議時に入札調書が示される。予定価格や最低制限価格と同額か極めて近い場合などは価格漏えいなどの疑義が生じ、議決が先送りされるケースもある。
 栗原市で発覚した官製談合事件の入札は最低制限価格と同額で、市議から疑義が出たが、市側が「適正競争の結果」と主張して可決され、その後、市職員が価格を漏らした官製談合だったことが判明している。
 大崎市議会では一部議員が入札調書を審議前に議会に提出するよう市に求めているが、市は「否決されて再入札を行う場合に、予定価格や最低制限価格などを示したことが支障になる」(総務部)として提出していない。
 五十嵐氏は「まず価格漏えいの調査が必要。市議会で実質的な審議ができるようにするべきで、工事契約の議決時に入札資料が示されてこなかったこと自体が疑問」と入札の実態把握と議会での審査環境の改善の必要性を指摘する。


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2018年08月20日月曜日


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