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<仙台市長就任1年>自公に配慮し融和を強調

市議会6月定例会で答弁する郡市長。「市政に与党も野党もない」と繰り返してきた

 郡和子仙台市長は22日、就任から1年を迎える。いじめ対策や子育て支援などの公約を進め、「郡カラー」を出そうと腐心した。自公政権下の国政は安倍1強が続き、野党の衆院議員から政令市トップへの転身という「出自」に、政権与党との関係を不安視する声は常につきまとう。市政運営のバランス感覚、政策実現へのプロセスを振り返った。(報道部・横川琴実)

◎郡市政序章(上)スタンス

<異例の市議同行>
 「土井副大臣が頑張ってくれている」「これまで、知事と一緒に要望した経験はあまりなかった」
 郡市長は2日、道路整備の要望で訪れた国土交通省で森昌文事務次官を前に、同席した自民党衆院議員の土井亨復興副大臣、村井嘉浩宮城県知事との融和を強調した。
 2人はかつての仇敵(きゅうてき)。土井氏とは宮城1区で2005年以来、民主党(当時)の公認候補として議席を争った。国政与野党が激突した昨年7月の市長選で、村井氏は対立候補を支援。野党共闘の郡市長は政権批判を展開し、勝利した。
 政府との関係で、元野党の衆院議員という経歴が勝負どころで足かせになっているのではないか。市議会や市役所内に渦巻いた不安はすぐに現実味を帯びた。
 19年の20カ国・地域(G20)首脳会合に伴う観光相会議。4月、菅義偉官房長官が発表した開催地名簿に仙台市の名はなかった。郡市長は直後の記者会見で「非常に残念」と悔しがったが、市役所内部でさえ当初から「誘致は難しい」と懸念する声があった。
 7月の政府与党への単独要望で、郡市長は安倍晋三首相側近の萩生田光一自民党幹事長代行、吉野正芳復興相らと次々に面会した。間を取り持ったのは自公の市議。異例の市議同行は市側が求めたという。「郡市長一人で省庁などに行っても、相手にされないと思ったのではないか」。複数の市議は、政権与党とのパイプを誇示してみせた。

<来夏市議選が鍵>
 市議会は定数55(欠員3)。議会構成は市長の裁量を左右する。3分の2を占める自公など市政野党に、郡市長が配慮を見せたのは2月定例会だった。初めて編成した当初予算案に反対勢力側の政策を一部盛り込み、賛成を取り付けた。ある市政野党の市議は「福祉政策が前進した」と評価した。
 「市政を進めるために与党も野党もない」と郡市長は意に介さない。激戦で生じた溝を覆い、政策推進の実利を追う。市幹部や市議は「市政運営に自信を深めつつある」と見る。
 仙台市議は来年8月、任期満了を迎える。旧民進党勢力は「郡市政を生んだ責任がある。政策を共有できる仲間が必要だ」と議席増を狙う。市政与党の市議は「議席が伸びれば、郡市長は任期後半、政策を推進しやすくなる」と指摘する。
 その旧民進勢力は、立憲民主党、国民民主党、無所属に分裂した。11日に超党派の「みやぎ民主連合」を旗揚げしたものの、組織の実力は未知数。勢力の消長を懸ける来年7月任期満了の参院選も、郡市政の今後を占う試金石になる。


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2018年08月21日火曜日


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