秋田のニュース

<甲子園>東北の夢 剛腕に託す 金足農・吉田輝星投手は人懐っこい練習の虫

日大三に完投勝利し、捕手の菊地亮選手(左)と喜ぶ吉田投手(写真部・川村公俊撮影)

 第100回全国高校野球選手権大会は20日、秋田代表の金足農が県勢として103年ぶりの決勝進出を決めた。快進撃の立役者は何といっても主戦の吉田輝星(こうせい)投手だ。剛腕に注目が集まるが、普段は仲間とじゃれ合うのが好きなごく普通の高校生だ。
 打撃練習以外はいつも一人別メニュー。下半身強化のために黙々と走り込む姿は、他の選手の尊敬の的となった。祖父の理正(りしょう)さん(70)は「幼い頃から1人で率先して練習する子。暗くなってからは、私が自転車で明かりを照らしながら走った」と懐かしむ。
 強靱(きょうじん)な精神力と体力で、甲子園では1回戦から準々決勝まで4試合連続2桁三振を奪った。中堅から投球を見詰めてきた大友朝陽(あさひ)選手は「走者を背負ったときのギアの上げ方は今まで以上」と驚く。
 人柄も魅力的だ。「マウンドでは『俺が俺が』という感じだけど、普段は『構って構って』と寄ってくる」(大友選手)。マウンドでは見せない人懐っこさがあるという。小学生の頃から知る菅原天空(たく)選手は「性格は全然変わらない。取材される時はシャイだけど、普段はずっとしゃべっていてうるさい」と笑う。
 農業高の生徒だが実は虫が嫌い。2回戦で菊地彪吾(ひゅうご)選手の背中にセミが付くハプニング以降、練習中互いにセミを付け合うのが流行したが、吉田投手は声を上げて逃げ回っていた。カエルも苦手で、環境土木科の測量実習は肌に触れないよう夏でも長袖を着るという。
 マウンドでの勝ち気な表情と、ベンチでの爽やかな笑顔が日本中の高校野球ファンをとりこにしている。吉田投手は「応援してくれる人の期待に応えるために必ず優勝する」と誓う。
(スポーツ部・今愛理香)


2018年08月21日火曜日


先頭に戻る