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<金足農準V>吉田、四球で暗転 五回6失点 仲間に「もう投げられない」

金足農−大阪桐蔭 5回裏大阪桐蔭無死一塁、根尾(右から2人目)に中越えの2点本塁打を浴び、マウンドで汗を拭う金足農・吉田(高橋諒撮影)

 「平成最後の怪物」としての意地が試合の潮目を変えた。金足農の大黒柱吉田は一回無死一、三塁から大阪桐蔭が誇る中軸の中川、藤原を強気の投球で連続空振り三振に切って取る。球場全体の盛り上がりが吉田の背中を押す中、迎えるはプロ注目の根尾。外角主体で2ボール2ストライクに追い込んだところで、真っ向勝負に出た場面だ。
 「後の打席のためにも内角攻めの印象を残したい」。内角を厳しく突いた146キロ、144キロはともに見逃され、四球に。「(3連続三振で)一気に流れを引き寄せたかった」という狙いが外れ、直後に石川への初球が暴投となり先制点を献上。この後、石川に右中間二塁打を浴びて0−3とされた。
 秋田大会から10戦全てを1人で完投して計1385球を投げ、体調が万全なはずはない。「少し疲れがあったが、前向きでいれば吹っ飛ぶ」と信じ、前夜には帽子のひさしに「マウンドは俺の縄張り」「死ぬ気の全力投球」と書き込んだ。
 四回、「下半身が疲れで動かなくなった」と力が落ちてさらに3失点。続く五回に6失点したところで、周りに集まった仲間に「もう投げられない」と弱音を吐く。「3年間で初めて聞いた」(菅原天)と驚かせたが、そのイニングを投げ抜く気迫は見せた。
 東北勢を初優勝に導くことはできなかった。「大阪桐蔭の壁は高かった。(初優勝は)次の世代に達成してほしい」。吉田は悔しさを乗り越え、晴れやかに甲子園を去った。(金野正之)


2018年08月22日水曜日


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