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<金足農準V>高校野球の原点体現 東北の悲願は次の時代へ

敗戦が決まり、悔しそうな表情を浮かべながら、一塁側ベンチ前で整列し大阪桐蔭の校歌を聞く金足農の選手=21日、甲子園(写真部・川村公俊撮影)

 「金足農、準優勝おめでとう。高校野球のお手本のようなチームでした」。閉会式の講評で、日本高野連の八田英二会長が述べると、球場全体の拍手はしばらく鳴りやまなかった。平成最後となる大会で金足農が成し遂げた準優勝には大きな意義がある。
 公立農業校の快進撃は全国の高校野球ファンの胸を熱くした。地元秋田県の高校生だけで切磋琢磨(せっさたくま)し、絶対的なエースをナインが支える姿は高校野球の原点に映ったのだろう。
 昭和の時代に夏の甲子園で準優勝した東北の公立2校、三沢や磐城に重ね合わせて見る人も多かったはずだ。
 マウンドに立つ吉田の姿は三沢の太田をほうふつとさせた。強豪に敢然と立ち向かい、決勝の途中まで1人で力投した。時代は違うが、太田も吉田も冬場は雪のグラウンドを走り、下半身を鍛えてきた。
 「雑草軍団」は準々決勝の近江(滋賀)戦で逆転サヨナラの2点スクイズを見せるなどバント戦術にたけ、劣勢でも粘り強く戦い抜いた。その姿は猛練習で堅い守備を築き上げ、「小兵軍団」と称された磐城にも通じる点がある。
 決勝は大阪桐蔭に大敗した。それでも「高校野球のお手本」と評されたことに、金足農の中泉一豊監督は「うれしいですね。普段の学校生活の態度なども関わってくることなので」と表情を崩した。
 第100回の記念大会で東北勢悲願の優勝はならなかった。だが、次の時代、次の100回に向け、高校野球の在り方を示した金足農の準優勝は、それ以上の価値がある。
 表彰式で金足農に準優勝盾が贈られる瞬間、左翼から三塁スタンド上空に大きな虹のアーチが懸かった。甲子園の神様も健闘をたたえている。(スポーツ部・野仲敏勝)

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 第100回全国高校野球選手権大会最終日は21日、兵庫県西宮市の甲子園球場に4万5000人の観衆を集めて決勝が行われ、金足農(秋田)は大阪桐蔭(北大阪)に2−13で敗れ、春夏を通じた東北勢初の全国制覇はならなかった。大阪桐蔭は4年ぶり5度目の優勝で、史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。

 ▽決勝
金足農 (秋 田)001000100=2
大阪桐蔭(北大阪)30036010×=13


2018年08月22日水曜日


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