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<金足農準V>決勝まで上り詰めた9人の絆、大輪に 支え合い粘りの野球

試合後、敗戦の悔しさに涙を流す主戦の吉田投手(右から3人目)を慰める金足農のチームメート=21日、甲子園(写真部・高橋諒撮影)

 兵庫県西宮市の甲子園球場で21日に行われた第100回全国高校野球選手権大会の決勝で、金足農(秋田)は大阪桐蔭(北大阪)に2−13で敗れた。東北勢悲願の初優勝は果たせなかったが、秋田大会から選手交代なしの「9人野球」で甲子園決勝まで上り詰めた。抜群のチームワークで準優勝し、佐々木大夢(ひろむ)主将は「仲間たちにありがとうと伝えたい」。感謝の言葉で夏を締めくくった。
 9人の出会いは3年前にさかのぼる。
 みんな秋田市と近郊の町で軟式野球をしていた。大会などで顔見知りの仲。当時から吉田輝星(こうせい)投手の実力は抜きんでていた。
 「こいつとだったら甲子園に行ける」。斎藤璃玖(りく)選手はそう感じた。
 誰ともなく声を掛け合った。
 「金足農で野球をやらないか」
 吉田投手の父が金足農OBだったこともある。4番の打川和輝選手は秋田商に進むつもりだったが、吉田に呼び止められて翻意した。そこに佐々木主将や大友朝陽(あさひ)選手らも加わった。
 最初から一枚岩ではなかった。吉田投手が好投しても失策から負けることがあった。マウンドでいら立つ吉田投手に、他のナインが不満を持つこともあった。
 転機になったのは昨夏の秋田大会決勝だ。明桜に1−5で完敗して甲子園出場を逃した。2年生だった9人は学校に戻って素振りを始める。日が沈んでもスイングは続いた。
 その時、吉田投手は目標を立てている。
 「甲子園で優勝する」
 とてつもなく大きな目標に、9人の心が一つになった。厳しい冬の合宿も支え合って乗り越えた。
 準決勝までの粘り強い戦いぶりは、チームワークがなせる技だった。決勝も強豪を相手に最後まで諦めない姿を見せた。
 頂点にはあと一歩届かなかった。でも、佐々木主将の表情は満足感に満ちていた。「この9人だからこそ、ここまで戦えた」。大会100回目の夏、紫の旋風を巻き起こして球史に名を残した。(スポーツ部・今愛理香)


2018年08月22日水曜日


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