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<にゃんとワンポイント・実践編>犬の椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアのため、後肢がまひして、正しく着地できない「ナックリング」の症状が表れた犬

◎管理とリハビリ重要

 背中を痛がる、後肢を引きずるなどの症状が出る椎間板ヘルニア。症状は、背骨の中を通る脊髄神経の圧迫や損傷で起きます。徐々に悪化したり、一度回復しても再発したり、初めから重症のケースもあります。
 動物病院での検査は全身状態の把握から始まります。背中を痛がる症状は、胃腸炎や腎炎などで腹部痛がある際にも見られます。四肢のふらつきや引きずりは骨関節や筋肉靭帯(じんたい)などの整形外科疾患でも起こり得ます。検査で、その他の病気が原因になっていないか確認するのです。
 その他の病気が除外されると、神経学的な検査に入ります。姿勢や歩き方、反射検査で問題の起きている部位をある程度特定できます。X線検査では、椎間板ヘルニア以外の神経疾患を起こす病気がないかをチェックします。
 これらの検査結果を踏まえ、獣医師と飼い主さんとで治療法を相談します。内科治療で回復することもありますし、重症、再発例では外科手術を検討します。
 手術をするしないにかかわらず、管理とリハビリは重要です。管理とは、症状の悪化要因となる行動(ジャンプやダッシュなど)を制限し、過体重であれば減量を行うなどの飼育上の注意点を指します。
 家庭環境や動物の性格によっては、自宅で十分に管理できず、入院が必要になることもあります。治療で痛みや運動機能低下が改善されると、動物は以前と同じように行動します。それをしつけで制御することはできません。
 天井の低いケージの中で過ごさせる、高所に飛び乗らないようソファを撤去する、もしくはバリケードを張るなど、室内環境の整備が必要です。動物に欲求不満を強いなければならず、飼い主には苦しい作業になるかもしれません。
 リハビリは継続することで、症状の改善、現状維持、進行遅延を狙います。時間と労力を要し、効果が見えにくいのが難点ですが、痛みを与えることなく、ペットとのコミュニケーションが取れ、飼い主さんが主体となって行えます。
 獣医師から治療の提案を受け、状況に応じて、ご家庭でできる方法を探っていきましょう。(獣医師)


2018年08月24日金曜日


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