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高温少雨で福島の稲作に打撃 「まさに災害級」ダム干上がり放流停止も

立ち枯れになった穂を指さす海村さん。黒ずんだ一帯が不稔障害になっている=23日、須賀川市
水が少なくなり、底が見える藤沼ダム。24日に放流を停止した=23日、須賀川市

 猛暑と記録的な少雨が続く福島県内で、稲作に影響が出ている。会津地方を中心にダムの貯水量は低下し、一部は放流を停止した。水を十分に張れず、穂が立ち枯れのような状態になっている田んぼも。コメの収量減や品質低下に対する懸念が強まっている。
 県南部の穀倉地帯の須賀川市矢田野地区。海村一男さん(72)の約40アールの水田では、黒っぽい列が長さ約10メートルにわたって続く。
 稲が枯れた状態となって変色。水が行き渡らないために発生した不稔(ふねん)障害だ。
 育てているのは県オリジナル米の「天のつぶ」。もみが大きくなる登熟期の水不足が響いた。排水路から揚水機で水をくみ上げているが、まだまだ足りない。
 このままでは、収量は例年より3割ほど落ちるとみられる。「これだけ雨が降らないのは50年間で初めて。まさに災害級の少雨だ」とうなだれた。
 福島は今夏、高温少雨に見舞われている。特に内陸部が顕著だ。7月の降水量は須賀川市長沼が平年の41%の85.5ミリ。会津若松市は34ミリで19%にとどまった。
 県内のダムは軒並み干上がっている。今月20日現在の羽鳥ダム(天栄村)の貯水率は9%で、同日に放流を停止した。日中ダム(喜多方市)も22%に低下。飲料水を確保するため、かんがい用水の放流を21日から取りやめた。
 貯水率7%の藤沼ダム(須賀川市)は24日、放流をストップ。管理する江花川沿岸土地改良区の安田勝男事務局長は「今月いっぱいは放流したかったが、ここまで水がなくなると、農家の希望をかなえられない」と苦り切る。
 台風19号、20号による雨もわずかで、水不足解消にはほど遠いのが現状だ。
 県は今月から、少雨に伴う農作物への被害を軽減するため、揚水機購入や井戸掘削などの経費を補助する事業を実施している。
 内堀雅雄知事は20日の定例記者会見で「一般家庭には節水を心掛けてもらいたい。農協や市町村、県が連携し、効果的な少雨対策を講じたい」と話した。


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2018年08月26日日曜日


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