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<女川原発>再稼働審査大詰め 東北電、申請から4年8ヵ月 来春「合格」の可能性

 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の原子力規制委員会による審査が終盤に入った。再稼働を目指す東北電は今年7月に新たなスケジュールを示し、来年1月中に全ての審査を終えたい方針を掲げる。審査申請から4年8カ月がたち、再稼働の第一関門となる「合格」に向けて大詰めを迎えた。

 審査会合は5月以降、週1、2回のペースで開かれている。東北電は11月には大半の説明を終了させたい考え。規制委は新規制基準への適合性を認める「審査書案」をまとめ、事実上の合格は来年春ごろの可能性が出ている。
 東北電の原田宏哉社長は7月の記者会見で「審査終了とともに2020年度に安全対策工事を完了させ、できるだけ早く再稼働したい」と表明。同社幹部は「審査長期化の影響で工事を3度延期したが、終盤なので(延期は)もうない」と自信を見せる。
 ただ、審査は女川固有の課題が残る。他原発より最大想定の津波(海抜23.1メートル)が高く、水路によって津波が敷地内部にあふれるのを防ぐ防潮壁について規制委は「特異な構造」と疑問視。「(内部火災対応などの)宿題がいっぱい残されている」と指摘した。
 規制委の更田豊志委員長は今月の記者会見で、東北電の来年1月の審査終了方針を聞かれ「内部溢水(いっすい)対策など議論がこれからの部分もある。見通しを話すにはまだ早い」と語るにとどめた。
 実際の再稼働への道のりはさらに長い。規制委が審査書をまとめ、設計方針などを定めた「設置変更」の許可が出た後も、設備の詳細設計を示した「工事計画」や「保安規定」の認可を得なければならない。地元の宮城県と女川町、石巻市の議会、首長の同意も必要だ。
 原発再稼働と地元同意を巡る状況も刻々と変化している。
 日本原子力発電は3月、東海第2原発(茨城県東海村)再稼働の事前了解権の対象に、水戸市など周辺5市も加える全国初の安全協定を結んだ。宮城県の住民団体も対象拡大を女川町や石巻市に申し入れており、再稼働手続きに影響を与える可能性もある。

[メモ]原子力規制委員会の審査に合格(事実上の合格も含む)したのは新規制基準施行後、8原発15基。うち2原発3基が事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型炉(BWR)で、合格までに要した審査会合数は東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)が151回、日本原子力発電東海第2(茨城県)は97回。女川2号機は2013年12月の申請以降、これまで129回に上る。


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2018年08月27日月曜日


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