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<仙台いやすこ歩き>(86)グラノーラ/栄養たっぷりの健康食

 「ねぇ、グラノーラのお店に行ってみない」。画伯のいやすこぶりは古今東西、その広さに驚かされる。そういえば、友人も毎朝食べていると言っていたが、はて、グラノーラとは?
 というわけで、コーンフレークと同様のシリアルの一つだという、ちっぽけな知識だけを持って、グラノーラを知るべく、仙台市青葉区北根にあるグラノーラ専門店「ロンドファクトリー」に向かった。
 待っていてくれたのは、代表の長谷川一博さん(40)。ここはグラノーラを作り、販売し、さらにグラノーラの食事も提供するお店なのである。
 「テーブルにどうぞ」の言葉と共に、長谷川さんのグラノーラ講義は楽しく始まった。
 「グラノーラは、主材料のオーツ麦(オートミール)を味付けしたものです。オーツ麦自体、6大栄養素を全て含んだ優れた穀物で、さらにドライフルーツやナッツなど高栄養素食材を組み合わせているので、おいしくてたっぷりの栄養が取れる健康食として、今では世界中で親しまれるようになっています」
 長谷川さんがグラノーラを作るきっかけは何だったのだろう。聞くと、「震災です」の答え。東日本大震災が起きた2011年当時、葬祭会社に勤務していた長谷川さん。震災直後は宮城県利府町のグランディ21などで、使命感を持って被災者支援の仕事に当たった。
 「半年が経過した頃、これからの復興に向けて何か役に立てないものかという思いが大きくなり、会社を辞めさせていただいた」と話す。ノープランで向かったのは、ニューヨーク。そして、環境が変わることで、体調を崩した長谷川さんに、友人が薦めてくれたのがグラノーラだったのだという。
 体調が整うにつれ思い出したのが、震災後のおにぎり一色の日々。当時、野菜が食べたいと切実に思ったそう。ほとんどが炭水化物の白米と違い、栄養バランスの良いグラノーラ。すっかり心が動かされた長谷川さんは、グラノーラについて探求し、見聞していく。その中で、ふと感じたのが、健康食と言いながら一般的には油が使われていることへの疑問。そこから2年がかりで、ノンオイル製法を開発する。
 お店をオープンしたのは3年前。今では全国から注文が入るそう。種類も30種ほどになり、中には、黒糖、きな粉、ごまが入ったものや数量限定のずんだグラノーラも。その全てを手作りしているというからすごい。
 近い将来、3年以上の長期保存もできる、新型グラノーラを発表するつもりだという。これなら災害支援物資としても役に立つ。一方では「塩害のあった被災地でオーツ麦を育てたいと思ってます」。
 ロンドファクトリーのロンドは輪。長谷川さんの思いが大きな輪になる日も遠くはない。
 多彩なメニューの中から、いやすこは、シルキースタイルパフェをいただくことに。グラノーラにアイスとヨーグルト、手作りのブルーベリージャムが載って、見た目もおしゃれ。混ぜながら食べるのだが、まったりとパリパリ、時々ひんやり、が口の中でいい感じだ。「ひゃー、楽しいね」「かみしめるほどに、グラノーラって味わい深い」。夏バテの体にもぴったりと、2人はお気に入りのグラノーラ選びにもう夢中だ。

◎朝食やおやつ食べ方多彩

 グラノーラはオーツ麦を主材料にしたシリアル(トウモロコシ、麦、米などの穀物を加工したものの総称)。炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維と6大栄養素が入っている。とりわけ、食物繊維は白米の19倍以上で、カルシウム9倍、鉄分5倍と栄養価が高い。
 基本的にはオーツ麦に甘味と油分を加えてオーブンなどで焼き上げるのがグラノーラで、ナッツやシード(種)類、ドライフルーツなどと組み合わせてさまざまな栄養、味、おいしさの広がりが楽しめる。
 食べ方としては、そのままおやつやつまみに、牛乳やヨーグルトを掛け新鮮な旬の果物と盛り合わせて朝食に、さらにアイスクリームやパンケーキなどスイーツのトッピングに、サラダやスープのトッピングにと幅広い。
 日本のオーツ麦はほとんどが輸入品で、国内では北海道の一部で生産されている。ちなみにロンドファクトリーは、米国オレゴン州のオーツ麦有機栽培農場と栽培契約を結んでいる。
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 土地には、その土地ならではの食があります。自他共に認める「いやすこ(仙台弁で食いしん坊のこと)」コンビ、仙台市在住のコピーライター(愛称「みい」)とイラストレーター(愛称「画伯」)が、仙台の食を求めて東へ、西へ。歩いて出合ったおいしい話をお届けします。


2018年08月27日月曜日


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