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<問う論じる 改憲の行方>(2)自衛隊位置付け明確に/気象予報士・女優 半井小絵さん

[なからい・さえ]兵庫県伊丹市出身。早大大学院修了。日銀在職中に気象予報士の資格を取得。2002年から9年間、NHKの気象キャスターを務める。気象や防災に関する講演に取り組むほか、女優、コメンテーターとしても活動する。

 9月の自民党総裁選は、9条を中心に憲法改正の在り方が争点に浮上している。創作の現場から憲法の今について発言する人々に論議の問題点を聞いた。

 −5月に憲法改正を目指す超党派議連の大会など改憲派の集会で講演した。
日本を守れない
 「政治と国際情勢に関心を持つ一国民として講演した。核・ミサイルを開発する北朝鮮、沖縄県の尖閣諸島領海周辺での船舶航行を繰り返す中国の脅威がある中、現行憲法で日本を守ることができるかと指摘した」
 「戦後の占領下、連合国軍総司令部(GHQ)が短期間で原案を作成した憲法の前文には、日本らしさが盛り込まれていないと思う。日本らしさを大切にしてほしいとの考えも示した」

 −9条に関する考えは。
 「自衛隊をしっかり憲法に位置付けるため改正すべきだ。自衛隊で気象と防災をテーマに講演する機会が多い。多くの隊員は『憲法について発言する立場でない』と語る。戦争をしたいと言う隊員はいない。有事には命をなげうって国を守ることを誓い、災害派遣でも活躍する。そんな人たちを違憲と言われる状態に置いておくのはおかしい」

 −気象予報士としての活動を通じ、憲法について考える場面は。
緊急事態条項を
 「防災活動に取り組むNPOに参加し、日本災害情報学会にも入っている。東日本大震災時にはボランティアで被災地に入った。その経験を踏まえ感じるのは、緊急事態条項の必要性だ。災害時には自衛隊、消防、警察が被災地に入る。津波や水害で流された家屋など市民の所有物を円滑に撤去するため、憲法に緊急事態条項を設けるべきだ」

 −自民党は3月に自衛隊明記を含めた改憲4項目を示したが、通常国会で論議は深まらなかった。
野党は建設的に
 「国会を見ていると森友、加計学園問題ばかりが取り上げられ、憲法など本来論議すべきことが国民に示されなかった。野党には建設的な議論をしてもらいたい。自民党の改憲条文案に反対するならば、どこが駄目でどこは良いのか指摘してほしい。野党支持者の中には9条を除けば、改憲すべき点があると考える人もいるだろう。衆参両院の憲法審査会を開き、議論の場をつくるべきだ」

 −9月の自民党総裁選では、9条を中心に改憲の方向性が争点となる。
 「党の憲法条文案は決定されたと思っていた。総裁が交代したら、条文案も変わるというのは変だ。党内手続きを経て決まったならば、次の総裁が誰になろうと、そのままの条文案で改憲を目指すのが普通ではないか」

 −国民的議論とするためには何が必要か。
 「日本では職場や友人同士で、政治について議論しにくい風潮があるが、普通に憲法の論議ができるといい。平和だからこそ経済活動ができ、安定した生活が営める。違う意見の人を批判するのではなく、冷静に議論する場があるといい」
(聞き手は東京支社・小木曽崇)


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2018年08月27日月曜日


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