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東北の任期制自衛官「再就職は建設業」志望者増加 企業も高評価

建設会社の説明に耳を傾ける隊員たち=7月24日、仙台市若林区の仙台卸商センター

 20代で大半が退職する任期制自衛官が再就職先に建設業界を志望するケースが東北で増えている。業界側も隊員の体力や重機取り扱いの技術といった適応力を高く評価し、採用意欲は高い。半面、任期制自衛官の数自体は採用計画を下回る状況が続き、防衛省は対象年齢の弾力化などで拡充を図る考えだ。(報道部・荘司結有)

 仙台市若林区の仙台卸商センターで7月24日、来春退職予定の任期制自衛官向けの合同企業説明会があった。宮城県内を中心に東北で勤務する約100人が参加した。県内で活動する95企業がブースを設置する中、特に人気を集めたのは建設会社。各社の説明に参加者は熱心に耳を傾けた。
 自衛隊宮城地方協力本部によると、説明を希望する業種を尋ねた事前アンケートで、第1希望に建設業を挙げた自衛官は全体の14%に上り、前年より6ポイント増えた。
 説明会への参加を続ける東京の建設会社「宮本組」の舟根正直人事総務課長は、建設業界と自衛隊の類似点を指摘。「現場に配属されると他の社員と寝食を共にすることが多い。自衛官は共同生活に慣れており、環境に早くなじむ」という。チーム作業の現場は自衛隊の「小隊」に似ているとして、「現場に溶け込む素地がある」と話す。
 2020年東京五輪・パラリンピックやリニア中央新幹線の関連工事などで建設業界は活気づくが、少子化などの影響で人手不足が深刻化している。業界内外での人材確保競争は激しく、即戦力となる元自衛官は垂ぜんの的だ。
 一方の自衛隊も人材不足に悩む。任期制自衛官となる「自衛官候補生」の入隊は14年度から4年連続で採用計画人数を下回る。
 防衛省は「少子化や『売り手市場』の雇用状況で採用は厳しさを増している。採用の上限年齢引き上げも含め、人的基盤を充実させる措置を検討する」と説明する。

[任期制自衛官]入隊と同時に「自衛官候補生」に任命され、教育訓練を経て2等陸・海・空士に任官される。全国に約2万3000人いる。任期は最長2年9カ月で、満了後は2期目以降も継続するか民間に就職するか選択できる。応募資格は18歳以上27歳未満の男女。


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2018年08月28日火曜日


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