宮城のニュース

<富谷・黒川ウイーク>畑ワサビを大郷の名産に 元営業マンの地域おこし協力隊員、自然と格闘

ワサビの苗の成長を確認する芦沢さん。秋に再挑戦するつもりだ

 「何十年先まで残る大郷町の名産・名所をつくりたい」。東京のソフトウエア会社の営業マンだった芦沢拓馬さん(34)は4月、地域おこし協力隊員として人口約8000人の宮城県大郷町に飛び込んだ。県内でほとんど例がない大規模な畑ワサビの栽培に挑むなど、観光農園作りに汗を流している。
 夢の舞台は、農業法人「さくらファーム」が所有する通称「桜山」。同町大松沢にある約10ヘクタールの雑木林だ。一角に今春、ワサビの苗約3万5000株を植えた。沢のワサビ田ではなく、林間で露地栽培する。
 自然が相手の農業は一筋縄ではいかなかった。6〜7月、カブラハバチの幼虫やカメムシといった病害虫が大量発生。対策もむなしく9割以上の苗が枯れた。
 「胃が痛くなった。けど、誰が見ても大失敗。次に生かすしかない」と前を向く。日本一の生産量を誇る岩手県岩泉町の農家に土作りや防除を学んだ。10月に1万株を植え直す予定だ。
 人生の転機は2016年の熊本地震。社業を通した支援活動に携わり「もっと人のために働きたい」との思いが芽生えた。多賀城市で4歳まで過ごした縁もあり、県内の協力隊の募集をインターネットで検索。偶然目にした大郷町を、半ば勢いで選んだという。
 ワサビのほかにブルーベリーやウルシの栽培、カブトムシの森の整備といった中長期的な計画がある。「同僚も近所の人も優しく、思いやりがある。やりたいことはたくさんあるし、もう永住するつもり」と人懐っこい笑顔を見せる。

      ◇          ◇          ◇
 河北新報社は、より地域に密着した情報を発信するため、宮城県内で「拡大・移動支局」を開設します。第1弾となる「富谷・黒川ウイーク」では富谷支局を拠点に、本社、隣接支局などから記者を派遣。26日から9月1日までの1週間、富谷市と黒川郡大和町、大郷町、大衡村の計4市町村のニュース、話題を紹介します。


関連ページ: 宮城 社会

2018年08月28日火曜日


先頭に戻る