福島のニュース

<原発事故避難者集団訴訟>「手順従わず炉心溶融」専門家が証言

 東京電力福島第1原発事故で宮城県などに避難した福島県浜通りの住民が東電と国に損害賠償を求めた訴訟で、日本原子力研究開発機構の元研究者で社会技術安全システム研究所(茨城県ひたちなか市)の田辺文也所長の証人尋問が28日、仙台地裁であった。田辺氏は「東電が手順通りに対応せず炉心溶融が起こり、事故が深刻化した」と証言した。
 津波で原子炉の冷却機能が失われた同原発2、3号機に関し、東電は2011年10月に原子力安全・保安院(当時)に報告書を提出。想定事象に対応する「事象ベース」と、炉心損傷時の「シビアアクシデント」の各手順書のみを使ったと明記している。
 田辺氏は、東電が原因不明の原子炉の状態に対応する「徴候(ちょうこう)ベース手順書」を参照しなかった点を問題視。同手順書に従わず、原発内の現地対策本部が格納容器のベントを優先させた結果、「原子炉を減圧し(原子炉水位の異常低下時に行う)低圧注水に切り替えるタイミングが遅れた」と強調した。
 訴えでは、福島県から避難を余儀なくされた93人が原発事故で古里を失い、精神的苦痛を受けたとして、慰謝料など計39億2460万円の支払いを求めている。


関連ページ: 福島 社会

2018年08月29日水曜日


先頭に戻る