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<台風10号豪雨2年>「楽ん楽ん」の悲劇繰り返さぬ 高齢者施設、安全確保へ試行錯誤続く

グループホーム「ひだまり」の避難訓練=21日、久慈市

 「楽ん楽ん」の悲劇の後も、全国各地では大規模自然災害が相次ぐ。「悲しみを繰り返してはならない」と高齢者施設の試行錯誤が続いている。
 「運転手さん、避難経路はルート1でお願いします」。岩手県久慈市のNPO法人「ファミリーサポートおひさま」が運営するグループホーム「ひだまり」で21日、大雨による河川の増水を想定した避難訓練があった。
 施設は久慈川の北約200メートルに立地する。防災体制などを盛り込んだ「避難確保計画」は6年前に策定済みだが、「楽ん楽ん」では避難のタイミングを逸したことで人的被害が発生している。自分たちも避難の開始基準が曖昧だったとして早速、計画の見直しに着手した。
 理事長の村田美幸さん(48)は「岩泉で被害が出るまで油断があった」と打ち明ける。
 新計画では避難の開始を「避難準備・高齢者等避難開始」発令時点か久慈川の上流域にある観測所の水位が3メートルを超えた時点のどちらかとした。施設周辺の道路は冠水しやすいため、市指定避難所までの経路も1本から3本に増やした。
 計画を見直した後の15日、大雨が市一帯を襲った。久慈川は想定していた上流ではなく下流で水位が上昇。避難の判断に迷いが生じた上、下流に向かう避難経路を使えば立ち往生してしまう危険性があった。
 災害や福祉の専門家から助言を得て改定した計画だったが、それでも新たな課題が浮上する。村田さんは「雨の降り方で逃げるタイミングをもっと早くし、避難場所も変える必要がある」と実感。今後も計画の見直しと避難訓練を続けていくという。


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2018年08月31日金曜日


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