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<福島第1>トリチウム水、海洋放出大半が反対 福島・富岡で初の公聴会

トリチウム水の処分方法を巡り、14人が意見を述べた初の公聴会

 東京電力福島第1原発の敷地内にたまり続けている放射性物質トリチウムを含む水の処分方法を巡り、政府の小委員会が国民の意見を聞く初の公聴会が30日、福島県富岡町であった。原子力規制委員会が「唯一の方法」とする海洋放出に、登壇者の大半が反対した。

 公聴会は町文化交流センターであり、約100人が傍聴。公募に応じた県内外の14人が意見を述べた。海洋放出には13人が反対や慎重な姿勢を示した。
 福島県漁連の野崎哲会長(64)は「国民的な議論を経ていない現状では強く反対する」と断言。「試験操業で地道に積み上げてきた安心感をないがしろにし、県漁業に致命的な打撃を与える。まさに『築城10年、落城1日』だ」と訴えた。
 ただ一人、海洋放出を容認した大阪大招聘(しょうへい)教員の大槻宗司さん(70)は風評被害対策として、「放射性物質濃度をサンプル測定から全量測定に変え、結果を公開すべきだ」と提案した。
 汚染水を浄化する多核種除去設備(ALPS)で、トリチウム以外の放射性物質も除去しきれず、ヨウ素129などが残っている問題も取り上げられた。
 富岡町からいわき市に避難する司法書士渡辺和則さん(44)は「トリチウム以外は含んでいないという前提で考えていた」と強調。「(2016年11月の)小委員会初会合で説明していた」との国側の言い分に釈然としない様子だった。
 原子力規制委の更田豊志委員長がトリチウム以外も希釈すれば海洋放出を認める考えを示していることに、発言者から「そもそもALPSなど要らないことになる」と批判が出た。
 小委員会委員長の山本一良名古屋大名誉教授は取材に「意見を重く受け止め、検討を続ける」と説明。トリチウム以外の放射性物質に関しては「残っているものは確実に取るべきだと思う」と、ALPSでの再処理の必要性に言及した。
 公聴会は31日、郡山市と東京都で行われ、それぞれ14人、16人が意見を述べる。


2018年08月31日金曜日


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