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<福島第1>トリチウム水公聴会に批判続出「なぜ平日に」「広く聴取を」陸上保管継続求める声も

14人が発言した初の公聴会。意見聴取の在り方を問う声も相次いだ=福島県富岡町

 東京電力福島第1原発の敷地内で保管している放射性物質トリチウムを含む水の処分方法を巡り、福島県富岡町で30日にあった初の公聴会では、意見聴取や合意形成の在り方に対する不満や注文が相次いだ。陸上での保管継続が選択肢にないことにも批判が出た。
 「なぜ土、日にやらないのか」。同県新地町の漁師小野春雄さん(66)は木曜午前という開催の設定にかみついた。
 「漁師は午前は仕事。平日の午前では、来たくても来ることができない」と強調。海洋放出の影響を最も受ける現場への配慮を欠いた対応だと憤りをあらわにした。
 公聴会は公募に応じた参加者が5分以内で意見を述べ、委員の質問に答える形式。委員への質問や傍聴者の発言機会は設けられていない。
 同県楢葉町の政党役員佐藤龍彦さん(66)は「若干名の意見を聞く形式的な公聴会は取りやめ、各市町村や行政単位の説明会で、広く意見を聴取すべきだ」と指摘。いわき市議の佐藤和良さん(64)は「双方向型の公開討論会を実施すべきだ。欧米のように長期間の公聴会を積み上げて決めるべき問題」と述べた。
 いわき市の弁護士菅波香織さん(42)は「第三者機関が運営し、いろんな立場の人が話し合う場を設けるのも一つのアイデアではないか」と提案した。
 国の作業部会が2016年に評価結果をまとめた処分方法は「海洋放出」「水素に変化させての大気放出」「蒸発」「地層注入」「地下埋設」の5通り。
 公聴会では、大型タンクを新たに設けるなどして陸上保管を継続し、処理技術の開発を見極めるよう求める意見も複数あった。
 いわき市の市民団体筆頭代表の伊東達也さん(76)は「トリチウムの危険性について十分説明されていない。海洋放出が最も安上がりとしているが、被害額は最も大きくなる可能性がある。大型タンクでの保管も検討対象にすべきだ」と語った。


2018年08月31日金曜日


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