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柳美里さん「青春五月党」再始動 ふたば未来高生と9月復活公演

演劇部員を指導する柳さん(右端)=福島県広野町のふたば未来学園高

 南相馬市小高区の自宅で書店フルハウスを営む芥川賞作家の柳美里さん(50)が、劇団「青春五月党」を再始動させる。20代半ばからおよそ25年ぶりの演劇活動。書店併設のスペースで9月に復活公演を行う。東京電力福島第1原発事故を反映させ、大幅に書き換えた戯曲「静物画」を演出、ふたば未来学園高(福島県広野町)演劇部の生徒が演じる。
 同校では通し稽古など仕上げの最中。柳さんが演劇部員からオーディションで選んだ12人を指導する。フルハウスのトークイベントをきっかけに部員の1人と縁ができて実現した。
 新たな「静物画」では、白い防護服や放射性廃棄物を詰めた黒いフレコンバッグなどの言葉が象徴的に織り込まれ、柳さんならではの死生観が醸し出される。
 主演の2年大田省吾さん(17)は第1原発が立地する福島県大熊町の出身。原発事故で避難し、いわき市から通学する。「作品の独特な雰囲気を出したい。有料公演なので絶対に良作と思ってもらえるよう演じる」と意気込む。
 柳さんは19歳で青春五月党を旗揚げ。その都度、出演を募るプロデュースユニット方式で劇作家・演出家を担い、1993年には「魚の祭」で岸田国士戯曲賞を史上最年少受賞した。その後は小説に軸足を移した。
 原発事故に伴う避難指示が2016年夏に解除された小高区での演劇公演は「文化の薫る町の再生」に向けた念願だった。今春、フルハウスの開店とともに構想を練ってきた。
 柳さんは「被災地視察ではなく、演劇自体をわくわくしながら見る目的で、全国や地元から小高に集まってほしい」と話す。
 復活公演は9月14〜17日午後6時開演。15、16日はマチネー(昼公演、14時半開演)もある。前売り3000円(当日3500円)。高校生以下は1000円。フルハウス、チケットぴあで取り扱い中。


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2018年09月01日土曜日


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