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定年行員 管理職で再雇用 東北の地銀、制度見直し広がる

行員と打ち合わせをする高橋さん(左)=仙台市太白区の仙台銀行八木山支店

 東北の地方銀行で、管理職で定年を迎えた行員を引き続き管理職として再雇用する人事制度が広がりつつある。これまでは非管理職として再雇用するのが一般的だったが、深刻な人手不足の解消につながり、長年の経験も生かせるため各行が制度を見直した。給与や休暇の待遇改善も進み、部長や支店長など重責を続ける「シニア管理職」が今後増えそうだ。

 仙台銀(仙台市)は昨年11月、定年後65歳までの再雇用制度で、嘱託業務に新たに支店長や本部次長など管理職に当たる営業店特別職を加えた。就任を促すため、給与も一部支店を除き現役行員と同水準にした。
 今年6月に定年を迎えた八木山支店長の高橋路子さん(60)は7月以降も同支店長で再雇用され、若手行員の指導に当たっている。
 支店のある仙台市太白区八木山地区は高所得者が多い上に高齢化が進み、預かり資産のニーズが増えている。同行人事課は「高橋さんの経験や人脈は支店に欠かせず、若手にとって大いにプラス。本人も意欲あった」とシニア再雇用に踏み切った理由を説明する。
 高橋さんは入行当初から高い営業実績を上げ、子育てと祖母、両親の介護を体験した。「同世代や働く女性のロールモデルになってほしい」(同行)との期待も懸かる。
 多くの企業が導入している役職定年制は定年前に社員の管理職を外し、中堅や若手らに昇進の機会を与えて組織の新陳代謝を促す狙いがある。総人件費も抑制できる。
 少子高齢化が進む地方で採用枠の大きい地銀は、人材確保が喫緊の課題。とはいえメガバンクのように人工知能(AI)に業務を代替させる省力化は経営的に難しく、管理職を再雇用せざるを得ない背景もある。
 東北では東邦銀がシニア再雇用の先駆け。2014年、65歳を限度に定年行員に管理職を発令する人事制度を始め賞与も支給した。今年6月末現在、定年となった行員のうち部長級3人、支店長2人を含む計30人が管理職に就く。
 同行はさらに65〜70歳も勤務可能な「シニアサポーター制度」や全国初の「育孫休暇」も導入。シニア再雇用の拡充は「ベテランの知識や経験を生かせる大きなメリットがある」(人事部)と強調する。
 福島銀や大東銀(郡山市)、フィデアホールディングス(仙台市)傘下の荘内銀(鶴岡市)と北都銀(秋田市)も、定年後に管理職を嘱託できる制度を設けている。福島銀は定年の行員全員と面談して意向を聞いている。


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2018年09月02日日曜日


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