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クマの次はイノシシ警戒 「生息しないはず」気仙沼で目撃情報じわじわ増加 本格的な対策へ

辞令を受ける隊員

 宮城県気仙沼市内でこれまで生息しないとされてきたイノシシの目撃情報がじわじわ増えている。今年は初めて農作物の被害も確認された。生息しないはずの大島で目撃情報が増えたクマに続き、新たに警戒が必要な有害鳥獣の出現に、市は地元猟友会の会員でつくる「鳥獣被害対策実施隊」の隊員を倍増させるなど本格的な対策に乗り出した。
 市は8月31日付で、非常勤特別職の市鳥獣被害対策実施隊の人員をこれまでの20人から39人に増やした。
 市が2015年に設置した実施隊(任期3年)は当初、急増したニホンジカの駆除が目的だったが、新たな体制となった本年度は、初めてイノシシが対象に加わった。駆除した隊員に支払う手当ての増額も検討している。
 市内でのイノシシの目撃情報は数年前から寄せられ始め、昨年度までは不確定な情報も含めて2、3件程度だった。だが本年度は8月末現在ですでに10件の目撃情報が市に寄せられ、実際にタケノコが掘り返された跡や足跡などが確認された。
 県自然保護課によると、かつては県内のイノシシの生息域は県南のみと考えられていたが、最近は県北に拡大している。13年度に初めて2頭が捕獲された栗原市では昨年度、82頭が捕まった。同課は「えさを求めて奥羽山脈沿いに北上している。さらに東部に拡大する可能性はある」と話す。
 イノシシは繁殖力が強く、年1回の出産で平均4、5頭の子を生み、農作物に大きな被害を出す。17年度の気仙沼市の有害鳥獣による農作物の被害額は約980万円で3割はニホンジカによる被害。実施隊発足前の14年度(約3770万円)と比べ減少しているが、市農林課は「イノシシが増えれば、被害額は膨らむ可能性がある」と警戒する。
 8月31日に市役所で実施隊の辞令交付式があり、菅原茂市長から隊員に辞令が手渡された。隊長に就いた菅野克由さん(68)は「大島のクマに続き、イノシシが増えれば、市民の不安はさらに高まる。農作物の被害を出さないよう、できるだけ早く、多くのイノシシを駆除したい」と話した。


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2018年09月04日火曜日


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