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遠野からINAKA発信 移住のイタリア人・ピアッツァさん外国人学生招き研修 地域の価値発掘に力

遠野中生の総合学習の内容を研修生に解説するピアッツァさん(中央)

 イタリア出身のレナータ・ピアッツァさん(49)が、NPO法人職員として遠野市で外国人学生の研修に力を注いでいる。東日本大震災をきっかけに2年前に移住した。学生を通じて遠野の風土や文化といったINAKA(いなか)の魅力を世界に広め、地元の人にも地域の価値を再発見してもらおうと張り切る。
 遠野市中心部で8月29日にあった遠野中生の総合学習。地域の魅力を国内外に発信する映像を作る取り組みを、スペインのIESE経営大学院で学ぶ中国出身のヨ于(ハンユー)さん(28)が見学した。中学生のサポート役のピアッツァさんがヨさんに英語で解説した。
 ヨさんは8月26日から11日間の日程で遠野に滞在している。研修について「出会う機会がなかったような人々と知り合えている。日本の中学の授業見学も新鮮で、東京や大阪では体験できない」と評価する。
 ピアッツァさんは2017年7月、研修を始めた。「最低2週間程度滞在しないと地域に入り込んで深い関係を築けない」と、長期休暇のある大学院生に対象を絞った。地域づくりに関わり、提案もしてもらう。これまでイタリアや台湾などから6人を受け入れた。
 イタリアのシチリア島出身で、大学で日本語、大学院で日本の政治を学んだ。日本企業での勤務経験もある。震災時はスペイン在住だったが、テレビを見て「力になりたい」と、気仙沼市などの被災地を定期的に訪れてボランティア活動した。
 沿岸被災地の支援拠点となった遠野にも通っているうち、地域で受け継がれてきた食文化、工芸、芸能などに魅了された。色濃く残る伝統を「資源」と捉えたピアッツァさん。「貴重な資源を、東京資本を通すことなく欧州と直接つなげたい」と、16年9月に移住した。
 NPO法人では地域資源の掘り起こしや海外への情報発信を担当する。熱心な仕事ぶりに地域の人たちも信頼を寄せる。遠野市の和菓子店の若おかみ松田希実さん(46)は「街づくりに欠かせない貴重な存在」と話す。
 ピアッツァさんは、研修生の反応や提案が、地域の人たちが自らの魅力に気付くきっかけになることを期待する。「見えなかったものを見えるようにしたい」と、遠野の人たちの「眼鏡」のような存在を目指す。


2018年09月04日火曜日


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