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<仙台市・人事委員案取り下げ>市民オンブズとして活動した経歴、議会に賛否

 仙台市は4日の市議会9月定例会本会議で、市人事委員会委員の選任議案の提出を取り下げた。候補者の弁護士は過去に仙台市民オンブズマンの一員として、市と複数の訴訟で争った経緯がある。市議会には候補者の経歴を問題視する声がある一方、「現在の活動で評価すべきだ」との意見もあり、賛否は割れている。
 郡和子市長は本会議後の取材に対し「全会一致で同意を得られる環境に至っておらず、もう少し時間が必要だと判断した」と撤回の理由を説明した。
 候補者は仙台弁護士会が推薦した。1990年代、市を相手にした複数の民事訴訟で原告代理人を務めた。オンブズマンを離れた後、同弁護士会会長や日弁連副会長などを歴任した。
 自民党の市議は「オンブズマンは何度も市議の政務調査費返還を求めて提訴している。元メンバーを候補者とすることに違和感を持つ議員は多い」と明かす。別の自民市議は「市相手の訴訟に関わった人物を候補者にする発想自体が疑問」とあきれる。
 これに対し、社民党市議は「過去ではなく、現在の活動で評価すべきだ。これまでと同様、弁護士会の推薦であり、人選に問題はない」と指摘。共産党市議は「(オンブズマンへの)感情的な理由で反対するのはいかがなものか」と言う。
 藤本章副市長が4日、各会派を回り、候補者選任に理解を求めた。市は10月5日までの会期内に事態の打開を図り、改めて選任議案を提出する方針。ベテラン市議は「候補者を差し替えない限り、状況は変わらないだろう」と語った。
 オンブズマンの関係者は「どんな思想信条を持っていても、公職に就いたら、その立場で役職を全うするのは当たり前だ」と不満を募らせた。


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2018年09月05日水曜日


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