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車いすでも諦めないで!障がい者の旅行支援20年「考える会」ハワイツアー参加者募集中

考える会のツアーで、スペインに出掛けた時の写真を手に、思い出を振り返る原田さん

 バリアフリーツアーを提案する福島県伊達市の「障がい者の旅行を考える会」が、活動開始から20年目に入った。これまで71回のツアーには、福島県内外から延べ約1300人が参加した。考える会は「障害があっても旅を諦めないでほしい」と呼び掛ける。
 ツアーは、考える会が後援・協力、旅行会社が企画・実施の形で続ける。障害者は付添人と参加。介助ボランティアが同行し、現地ではリフト付きバスを借り、バリアフリー対応のホテルに宿泊する。車いすでも参加できる。
 国内は北海道から九州、沖縄まで、海外は北米やヨーロッパ、東南アジア、オーストラリアに出掛けた。今秋にはハワイツアー(11月14〜19日)を予定する。
 考える会は1999年設立。会長で伊達市の佐藤孝浩さん(54)は23歳の時、建設現場で労災事故に遭い、四肢のまひなどの障害がある。元々旅行が趣味で、NPO主催の介助付きツアーに参加。介助ごとに料金がかかる状況に「旅行を諦めている障害者がいる」と思い至り、設立につながった。
 ツアーには繰り返して参加する障害者も多い。佐藤さんは「旅先で皆さんの喜ぶ顔を見るのが楽しみ」と語る。
 ハワイツアー(阪急交通社企画・実施)は参加者募集中。1人29万8000円。付き添いと2人一組で申し込む。9月12日締め切り。連絡先は佐藤さん090(7321)1880。

◎ツアー常連 郡山の原田さん「旅行は私の生きがい」

 郡山市の元小学校教諭の原田三千子さん(74)はバリアフリーツアーの常連だ。2004年に脳出血で倒れ、右半身まひの後遺症がある。歩行にはつえが、長距離移動には車いすが欠かせない。「旅行は私の生きがい」。11月のハワイツアーも心待ちにしている。 定年退職を間近にした59歳の時だった。勤務中に倒れ、目は覚めたものの体が動かず、話すこともできなかった。
 ゴルフが趣味で、社交ダンスは20年以上続けていた。好きなことはできなくなった。「最初の2年間は朝から晩まで泣いていた」
 3年後の07年、夫の伊佐雄さん(73)が見つけた一つの新聞記事で、光が差した。「障がい者の旅行を考える会」がハワイツアーの参加者を募っていた。倒れる前も海外には出掛けたことがない。「行ってみたい」と思いが膨らんだ。
 初のハワイの記憶は鮮明だ。青い海とイルカショーが印象深い。
 現地の行程は全て考える会が手配し、安心して参加できた。帰国後、「また行きたい」と思った。
 1年に4回程度、考える会のツアーには国内外ともに毎回参加している。「顔なじみになった方々と一緒にまた行ける。それも楽しみ」と語る。
 原田さんは週4回、デイサービスに通う。「旅行のために歩く練習をしてるんだよ」。笑顔が一段と輝いた。(福島総局・高田奈実)


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2018年09月05日水曜日


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