福島のニュース

<福島廃炉への道>使用済み核燃料取り出し機器が緊急停止

8月1日〜31日

【8月】
7日  東京電力は4号機の原子炉建屋から高温焼却炉建屋に汚染水を移すポンプが過負荷で止まったと発表した。別のポンプに切り替え、移送を再開した。
8日  3号機の使用済み核燃料を取り出すための燃料取扱機(FHM)が原子力規制庁による使用前検査の最中に緊急停止した。
12日  建屋周辺の地下水をくみ上げて汚染水の発生を抑える井戸「サブドレン」のうち1号機西側の1カ所で、水位計の取り付け位置が下にずれて正しく測定できなくなった。取り付け金具の緩みが原因。東電は全42カ所のサブドレンの水位計を再点検し、金具に加えて結束用バンドで固定する対策を取った。
15日  3号機の使用済み核燃料を取り出すための輸送容器をつり上げるクレーンが、試運転中に緊急停止した。制御系の異常を示す警報が発生した。
23日  2号機の使用済み核燃料の取り出しに向け、原子炉建屋最上階の作業床の片付け作業を始めた。建屋西側に設けた開口部から遠隔操作の重機を入れ、フロア内のフェンスや手すり、過去の調査で取り残されたロボットを撤去する。2〜3カ月を見込む作業終了後、フロア全域の空間線量などの測定に入る。
30日  敷地内のタンクにため続けている放射性物質トリチウムを含む水の処分方法を巡り、国の小委員会による初の公聴会が福島県富岡町で開かれた。31日の郡山市、東京を含む3会場で計44人が意見表明。原子力規制委が強く求める「海洋放出」に反対する声が多数を占めた。

◎設備のトラブル相次ぐ

Q 3号機の使用済み核燃料を取り出す設備のトラブルが8月に相次いだ。原因究明は進んでいるか。
A 燃料取扱機(FHM)はプール内で燃料をつかむ機具を動かすロープの破断を示す警報が発生して停止したが、実際は破断はなかった。点検の結果、FHMと制御盤をつなぐ屋外のケーブルに断線と砂のような異物の混入が見つかった。雨水などが浸入して腐食した可能性も考えられるというが、詳細は確認中だ。
Q もう一つのトラブルでは、燃料輸送容器をつり上げるクレーンが、模擬燃料などを持ち上げた直後に止まった。
A 持ち上げた重さは約51トン。クレーンの定格50キロをごくわずかに上回る程度。性能上は62.5トンまで持ち上げられるため、東電は荷重オーバーではなく、他に原因があるとみて調査を続けている。
Q 定格荷重のオーバーは問題にならないのか。
A 労働安全衛生法違反の疑いがあるとして、東電から報告を受けた富岡労基署が8月17日、クレーンの試運転を担当する東芝と下請け会社に是正勧告を出した。
Q クレーンは以前にも別のトラブルがあった。
A 5月の試運転中に異音が発生し、配電盤の部品が溶けた。電圧の設定の誤りと判明するまで約2カ月間、試運転が中断した。
Q 今後の燃料取り出しに影響はないか。
A 3号機の燃料取り出し開始は11月とされているが、見通しは不透明だ。FHMとクレーンは原因究明が終われば、原子力規制庁の使用前検査を受け、作業員の実機訓練に進む。東電は必要な訓練期間を約3カ月と見積もっており、日程の大幅な短縮は難しい。
 東電福島第1廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者は「取り出し開始後にトラブルが起きないようにすることが重要だ」と語る。政府関係者も「スケジュールありきで進めるつもりはない」と話す。


2018年09月05日水曜日


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