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<宮城・福島3生協合併>(中)再起/連帯図り苦境から脱却

福島県南生協の唯一の店舗「CO・OPBESTA天神町店」。今秋にも改装に踏み切る=6月上旬、白河市

 みやぎ生協(仙台市)とコープふくしま(福島市)、福島県南生協(福島県矢吹町)が来年3月、合併する。人口減少で縮小する市場を大手小売りらと奪い合う厳しい競争環境にある東北で、初めて県境を越えた合併が実現する。歴史や規模の異なる3生協が一体化する背景や針路を探る。
(報道部・水野良将)

<小売り競争激化>
 白河市中心部にある「CO・OPBESTA天神町店」。午前10時のオープンと同時に近隣の高齢組合員らが訪れ、なじみの従業員と会話を交わして買い物を楽しむ。
 福島県南生協(福島県矢吹町)の唯一の店舗は老朽化が目立ち、来年3月のみやぎ生協(仙台市)、コープふくしま(福島市)との合併を控え今秋にも改装される。
 高笠晴之専務理事は「損失を出さない経営を優先し続け、拡大的な投資ができなかった。生協運動を持続発展させるには、この時期に合併するのが正しい選択だ」と話す。
 高笠専務理事は、コープあいづ(喜多方市)の元職員。1999年、経営不振に直面していた福島県南生協に移り、立て直しに力を注いできた。
 当時の白河市内はジャスコなど大手スーパーの出店で小売店の競争が激化。福島県南生協は2001年に2店舗のうち1店舗を閉じた。さらにガス権利を売却したり、給与をカットしたりして窮状をしのいだ。その結果、従業員が労働条件の良い他社へ転出した。

<商品共同仕入れ>
 苦境を救ったのがみやぎ生協、コープふくしまとの連帯だった。04年から両生協などと共同購入事業(宅配)で協力。商品仕入れ共同化などで事業を伸ばし、組合員数を増やした。
 店舗商品の品質、衛生面の管理改善なども進め、約20年間で累積欠損金を約1億8000万円から約5000万円に減らした。近年は黒字決算を続ける。
 「みやぎ生協の安定経営や先進的な取り組みは魅力だ」と高笠専務理事。「地域は過疎化が進み『買い物難民』が増えている。今後は組合員のニーズが高い移動店舗や夕食宅配も視野に入るだろう」と思い描く。
 コープふくしまも、みやぎ生協との連帯によって再起した。
 90年代後半、店舗への過剰投資で経営危機に陥ったコープふくしまは経営再建に向け不採算店を閉鎖。店舗運営や共同購入利用者の増やし方、効率的な配達方法などでみやぎ生協の協力を得たり、ノウハウを採り入れたりした。

<剰余率2%台に>
 12年度以降は5億円前後の経常剰余金(経常利益)を計上。経常剰余率は2%台となり、全国の生協でも高い水準を確保している。
 野中俊吉専務理事は隣県の生協合併が可能となった08年、共同購入担当常務から現職に就いた。「地道に頑張った成果を最も評価してもらえるタイミングで合併の呼び掛けがあった。収益力が高まり、最高の経営状況にある」と語る。
 3生協は合併後、福島県内の組合員活動などに対応するため「福島県本部」を設ける。
 コープふくしまの総代の女性は「宮城出身で生協は身近な存在だったが、郡山には店舗がなくて残念。店舗ができれば福島での活動がもっと充実し、組合員も増えるのではないか」と新規出店に期待する。


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2018年09月05日水曜日


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