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<大崎市>官製談合の疑い過去にも…検証のメス、届くか 入札見直しへ新組織

複数の市議に送られた元市職員を名乗る匿名の投書の一部

 市発注の測量関連業務で入札談合が発覚した宮城県大崎市で、談合防止を目的に入札制度の見直しを図る検討組織が設置された。同市では、過去に価格漏えいによる官製談合が疑われるケースがあったものの、調査などを行ってこなかった。来年度に適用する見通しの新しい制度が過去の検証を経て実効的なものになるか。関係者は注視している。(大崎総局・大場隆由)

<調査対象に>
 測量関連業務の談合や栗原市の官製談合事件を受けて市は8月、非公開情報の取り扱いなど入札制度を検討する市入札・契約事務検討会議(会長・三保木悦幸副市長)を設置した。
 当初は、価格漏えいなどの疑いが指摘される過去の入札の調査は、行わない予定だった。伊藤康志市長が後に、一定規模で予定価格や最低制限価格に近接した入札などについて、落札業者のヒアリングといった調査の検討対象とするよう指示。7日に本年度の初会合を開いた市入札・契約制度監視会議(委員長・徳永幸之宮城大教授)の助言を仰ぎ進めることにした。
 市発注の測量関連業務で、公正取引委員会は2013〜16年度の入札のほぼ全てを談合と認定した。市登録の全業者が指名停止になる異常事態だ。
 公取委は官製談合を「認められなかった」と結論付けたが、談合に関与した複数の業者から「発注や価格に関する事前情報が談合会場で仕切り役から披歴された」との証言が出ている。
 市発注の大型工事では過去にも、市側の価格漏えいが疑われる入札があった。15年7月の旧市民病院解体工事の一般競争入札は、落札した共同企業体(JV)の落札額は、最低制限価格をわずか1万円上回る6億5449万円だった。

<衝撃的投書>
 事前入手した最低制限価格に一定額を上乗せしたと疑われる入札は他にもあった。
 10年12月の市民病院建設工事の入札は設計と建設を同時に行う公募型プロポーザル方式を採用。設計で最低制限価格プラス10万円の1億170万円、建設工事も同じくプラス10万円の81億1010万円を入れたJVが落札し「価格漏れの疑いがある」と一部の市議が指摘した。
 この入札では、落札JVのライバルと目されたJVが設計で最低制限価格を下回り失格。総合評価方式の審査員だった市関係者が落札JVに異例の満点評価を与えたことなどもあり、公正性が問題視された。
 22年度中の完成を目指す市役所新庁舎の基本計画も、落札JVで設計を担った設計会社が手掛ける。新庁舎建設を巡り業界関係者からは「また市民病院の時のような入札になるのか」と警戒する声が漏れる。
 「市長の名を語り堂々と入札価格を職員に威圧的に問う業者は何社もありました」「市長自ら内線電話で係の職員に発注価格を問う」
 8月下旬に複数の市議に届いた元市職員を名乗る匿名の投書には、衝撃的な記述があった。自身の価格漏えいの疑いを指摘する内容に、伊藤市長は4日の定例記者会見で「事実無根」と否定。入札に関する職員アンケートの対象になってもいいとの考えを示した。
 入札問題に詳しい五十嵐敬喜法政大名誉教授は「疑義がある過去のケースについても第三者の目を通して検証し、より透明性を確保する新制度の設計に生かすべきだ」と指摘する。


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2018年09月08日土曜日


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