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里親力向上の礎に 英国発の研修「フォスタリングチェンジ・プログラム」仙台で進行役の養成講座

里親の自尊感情のケアについて考えるワークに取り組む受講者たち

 生みの親と暮らせない子どもを預かる里親を対象にした英国発の研修「フォスタリングチェンジ・プログラム」のファシリテーター(進行・調整役)養成講座が8月下旬、東北で初めて仙台市内で開かれた。同プログラムを実施しているのは現在、東北では宮城県内のみ。ファシリテーターが増えたことで、児童福祉関係者はより広く実施されることを期待する。

 親の貧困や虐待などにより、乳児院・児童養護施設や里親の元で暮らす東北の子どもたちの数はグラフの通り。施設に入所する子どもの里親委託が進む中、同プログラムは里親の養育力アップを図る先進的な研修として、日本では2016年に導入された。
 5日間連続で行われた養成講座は、宮城県の機関「みやぎ里親支援センター けやき」(仙台市青葉区)が日本財団の助成を受けて主催。青森、岩手、宮城各県をはじめ全国から児童養護施設職員ら22人が受講した。
 講座の講師は、英モーズレイ病院でプログラムの普及に取り組むキャシー・ブラッケビー氏とキャロライン・ベンゴ氏が担当した。プログラムの概要を説明し、かんしゃくやイヤイヤといった子どもの態度の引き金となる要因について少人数で意見交換するグループワークなどを行った。
 講座の企画アドバイザーを務めた児童精神科医の上鹿渡(かみかど)和宏長野大教授によると、今回で国内のファシリテーターは計80人を超えた。上鹿渡教授は「児童福祉現場でプログラムが広がれば、子どもたちの良い成長につながる」と期待した。
 受講した仙台市青葉区のNPO法人子どもの村東北の川村玲香さん(51)は「里親も子どもも双方を大切にする内容だった。理論と実践が網羅され、分かりやすかった」と語った。

[フォスタリングチェンジ・プログラム]英国で1999年に始まった里親向けの研修プログラム。かんしゃくや食べ散らかしといった態度を取る子どもの真のニーズを里親が見極めて、対応できる力を身に付けることが狙い。研修に講師や指導役はおらず、ファシリテーターの進行により「子どもを効果的に褒める」「里親自身のケア」などをテーマに、少人数で意見を出し合うことを週1回ペースで計12回継続する。


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2018年09月08日土曜日


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