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被災地の子をカヌーで海へ ハワイの職人、宮城で建造に励む

カヌーを造るブマタイさんのアシスタントら=4日、仙台市太白区坪沼
レイモンド・ブマタイさん

 カヌーを通じて子どもたちに海に親しんでもらおうと、米ハワイ島の職人たちが宮城県でカヌー建造のボランティアに取り組んでいる。東日本大震災の津波の影響で被災地の子どもたちの「海離れ」も指摘される中、カヌーが子どもと海をつなぐ懸け橋となるよう思いを込める。
 県内でのカヌー造りは、NPO法人日本ハワイアンカヌー協会(神奈川県鎌倉市)が2015年に始めた。震災後、子どもたちが海に触れる機会が激減したことを案じた仙台市のサーファーたちが協会理事長の中富浩さん(62)=鎌倉市=に「宮城でカヌーを造ってほしい」と持ち掛けたのがきっかけだ。
 カヌー建造の「棟梁(とうりょう)」役は、ハワイ島在住のカヌー職人レイモンド・ブマタイさん(78)。ハワイに留学していた中富さんの娘の仲介で加わり、15年から毎年来県している。今年は次男のアリカさん(43)ら5人と1日に作業を開始。現在は塗装など仕上げ段階に入っている。
 材料のスギは、太白区坪沼で「小さき花 市民の放射能測定室」を主宰する農業石森秀彦さん(58)所有の山林から伐採した。二つの船体を甲板でつなぎ、全長約5メートル、全幅約2メートルの「双胴」の子ども用カヌーを造る。ハワイの言葉で「小さき花」を意味する「プア リーリー」号と命名した。
 間もなく完成する同号は16、17の両日に鎌倉市由比ガ浜で開かれる鎌倉マリンスポーツフェアで披露された後、宮城県内で保管される。ブマタイさんは16年から気仙沼市大島でもカヌーの建造に取り組んでおり、19年に完成予定の気仙沼大島大橋の開通に合わせ、進水式をする計画だ。
 ブマタイさんは「カヌーに乗って海を好きになった子どもたちが将来、カヌーを造りたいと言ってくれたらうれしい」と期待する。


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2018年09月09日日曜日


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