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<まちかどエッセー・高橋清博>クレオール・ニッポン魂の歌

[たかはし・きよひろさん]イベントプロデューサー。オフィスQ代表。祭り、ステージ、展覧会など幅広い分野で制作活動を展開。主なものに、仙台・青葉まつりすずめ踊り、定禅寺ストリートジャズフェスティバル、とっておきの音楽祭、丸森斎理幻夜、縄文人記憶の宴、エフエム仙台「飛び出せ高校生諸君!」など。1953年、宮城県柴田町生まれ。

 84年前、20歳の時に、大崎市古川からブラジルへ、移民として渡った佐々木重夫さん(故人)。彼が作詞した「移民節」を、2012年、サンパウロ市の日伯文化協会図書室で発掘し、ブラジル音楽のリズムに乗せてよみがえらせたのが、歌手の松田美緒さんです。
 「ドラよ 霧笛よ 移民船」で始まる内容に、「二つの故郷に誇りを持つ移民の人生と胸中が語られ、この地で踏ん張って生きていくという郷土愛とその魂に感動した」と言います。
 秋田県出身の松田美緒さんは、05年に大西洋をテーマにブラジルで録音した「アトランティカ」でビクターよりデビュー。以来ポルトガル、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン、ベネズエラ、ペルー、カボベルデなどポルトガル語・スペイン語圏の国々で、現地を代表する数々のミュージシャンと共演、アルバム制作を重ねてきました。
 土地と人々に息づく音楽のルーツを魂と体で吸収し表現する、まさに「現代の吟遊詩人」です。
 14年にはブラジル、ハワイの移民の歌を含め、小笠原や日本各地の忘れられた歌を現代にみずみずしくよみがえらせた初のCDブック「クレオール・ニッポン うたの記憶を旅する」をリリース。高い評価と反響を呼び、文芸春秋の「日本を代表する女性120人」に選ばれました。
 「クレオール」とは、もともとアメリカ大陸や西インド諸島、アフリカの旧植民地生まれの人々、交じり合った文化、言葉のこと。祖先の生活を受け継ぎ、海の向こうの文化と融合する日本、世界に出て行った人たちの日本を、「クレオール・ニッポン」と松田さんは表現しています。
 実は、このCDブックの中で取り上げられている、小笠原諸島の「レモングラス」で94歳の歌姫として紹介されているイーデス・ワトソンさん(日本名・大平京子さん)は、同じ小笠原父島生まれの私の母の同級生。年賀状などのやりとりをしていた、とても身近な方だったのです。不思議な縁を感じています。
 そんな松田さんの歌を聴く会が開かれます。14日(金)午後7時から仙台の「JAZZ ME BLUES noLa」で、15日(土)午後7時から白石「カフェ・ミルトン」で、いずれも「松田美緒 クレオール・ニッポン 歌の記憶を旅するコンサート」として開催されます。魂を震わす歌にぜひ、触れてみてください!
(イベントプロデューサー)


2018年09月10日月曜日


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