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<北海道地震>段ボールベッド提供次々 震災機に発案「避難生活を改善」

避難所に段ボール製ベッドを設置する被災者と日赤スタッフら=10日午前10時10分ごろ、北海道厚真町総合福祉センター(写真部・高橋諒撮影)

 段ボール製の簡易ベッドが、北海道の地震の被災者が身を寄せる避難所に導入されている。東日本大震災時の教訓を踏まえて開発され、医師らが普及に努めてきた。現地派遣された石巻赤十字病院(石巻市)の植田信策副院長は「避難生活を改善し、被災者の災害関連死や健康被害を防ぎたい」と語った。
 大規模な土砂崩れがあった北海道厚真(あつま)町の町総合福祉センター。10日午前8時すぎ、植田副院長ら日赤のスタッフがホールに大量の段ボールを運び込んだ。避難者らが組み立て、約2時間でベッド150床が完成した。
 センターに身を寄せた約460人の多くは、これまで硬い床に布団を敷いて過ごしていた。同町の農業犬飼ミイコさん(83)は「床は冷たくて起き上がるのもつらい。暖かいベッドで楽に寝起きできる」と喜んだ。
 床から高さがあるためほこりを吸い込む量が少なく、ベッドでの就寝は肺炎などのリスクが軽減される。起き上がりが簡単でエコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓(そくせん)症)や生活不活発病の予防効果もあるという。
 簡易ベッドは東日本大震災の避難所で被災者の低体温症が相次いだのを受け、段ボール箱製造「Jパックス」(大阪府)が開発。業界団体や避難所・避難生活学会に所属する医師らが普及を進めてきた。
 日赤による北海道地震の被災地への搬入は8日に始まり、厚真町を含め計約300床を届けた。道内にはまだ約2000人が避難生活を続けており、11日にも500床が追加配送される見込みとなっている。
 業界団体は27道府県と200以上の自治体と防災協定を結び、非常時にベッドを優先的に有料で提供する。西日本豪雨でも岡山、広島、愛媛3県に計約4000床を送った。今回、北海道への提供も協定に基づいている。
 植田副院長は「協定のおかげで迅速に搬入できた。避難所では雑魚寝ではなくベッドで寝ることを常識にしたい」と力を込めた。
(報道部・高橋公彦)


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2018年09月11日火曜日


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