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<ふるさと納税>返礼品違反は制度除外、東北の自治体「一律でなく特例を」「残念」

 ふるさと納税制度で東北は22市町村が寄付額の3割超の返礼品を贈り、9市町村は地場産品以外を使っていることが総務省の調査で分かった。名指しされた市町村は同省の規制案に一定の理解を見せつつ、戸惑いや疑問も交錯。国のしゃくし定規の対応は、地方の創意工夫の意欲までそぎかねない。
 多賀城市は関連工場が立地するソニー製の液晶テレビやデジタルカメラが人気で、2018年度の寄付額は7月末現在で前年同期比66%増の4億8199万円と好調だ。
 17年度の返礼割合は49%だった。鈴木明広副市長は東日本大震災の被災地として20年度まで継続したい意向で「全国一律でなく、特例を総務省に働き掛けることも考える」と言及した。
 福島県湯川村は14年度から3万円の寄付に地元産コシヒカリ1俵(60キロ)を贈り、15、16年度の寄付額は県内一を記録。同省の指摘で17年度から50キロに減らしたが、返礼割合は5割程度という。
 18年度は募集中のため見直しは19年度の予定。担当者は「東京電力福島第1原発事故の風評被害にさらされる中、湯川産米を全国に発信できた。消費者に安全性をアピールしにくくなるなら残念」と漏らした。
 宮城県南三陸町は地元海産物の詰め合わせか、町内で利用できるクーポン券か選べる。17年度の寄付額は2720万円で返礼品の調達費は11%。寄付者への返礼割合は寄付額に応じて最大60%だった。
 佐藤仁町長は「寄付金全体に占める調達費の割合が3割を超えず、問題ない認識だった。高額品で寄付を募るのは本来の趣旨に反するので国の方針に従う」と11月にも見直す構えだ。
 災害時の相互支援協定を結ぶ村山市のコメやワインが「地場産品以外」と判断された塩釜市。小山浩幸市民総務部長は「驚いた。心外だ」と困惑する。
 「宮城県から『差し支えない』と言われた。真面目にルールを守り、善意でやってきたつもり」と小山部長。担当者は「(塩釜の特産品が返礼品の)村山は調査結果のリストに含まれていない」と首をかしげた。
 盛岡市は友好都市の沖縄県うるま市の泡盛を返礼品に採用した。谷藤裕明市長は「双方の特産品をPRして活性化を図ることは制度の趣旨に反しないと判断していた」と釈明し、見直す方針を示した。

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 ふるさと納税で一部自治体が高額な返礼品を呼び水に多くの寄付を集めているのは問題だとして、野田聖子総務相は11日の記者会見で、制度を抜本的に見直す方針を正式表明した。返礼品を寄付額の30%以下の地場産品に限定。違反した自治体は制度から除外し、寄付しても税の優遇措置を受けられなくなる仕組みを法制化する。


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2018年09月12日水曜日


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