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消さない、本宮の映画文化 有志奮闘、今年も「カナリヤ祭」

昨年の映画祭の様子。閉館した映画館の見学ツアーなどが実施された

 かつて市民が映画を自主製作するなどした福島県本宮市で、地元有志が映画文化の継承に奮闘している。NPO法人「本宮の映画文化を継承する会」が毎年、「カナリヤ映画祭」を続ける。今年の開催は15、16日。メンバーは「人が集まれば文化を生み出す力になると若者に伝えたい」と意気込む。

 同市では1957年、本宮小PTAの母親らの発案で「本宮方式映画教室」が始まり、社会科の授業で毎月、地元の映画館で上映会を開いた。同市を舞台に女性教員と児童の交流を描いた自主製作映画「こころの山脈」も66年に全国公開された。
 その後、テレビの普及などに押され、90年に市内最後の映画館が閉館。映画教室も終了した。
 継承する会は2012年、かつて教室に参加したメンバーが中心となって設立した。メインとなる映画祭は13年から開催。2日間で「こころの山脈」や話題作を上映し、1963年に閉館した大正時代建設の本宮映画劇場の見学ツアーも行う。
 「映画を見て終わりではなく、そこから知識を広げることも大切」と代表の本田裕之さん(62)。ハンセン病を扱う映画に合わせて東京都の療養所から資料を借りるなど、知識を深める展示にも力を入れる。
 映画祭は本宮高の生徒が授業の一環で作る作品の発表の場にもなっている。今年は児童生徒の作品に英語字幕を付けて発表する「GCL国際ジュニア映画祭」とも連携する。本田さんは「映画製作を通じて国際交流など幅広い学びを得てほしい」と話す。
 映画祭の名前は「こころの山脈」の劇中で流れる童謡「かなりや」にちなむ。「唄(うた)を忘れた金糸雀(かなりや)は後(うしろ)の山に棄(す)てましょか」という歌詞に、映画教室を重ねる。「廃れた文化を捨てず、もう一度呼び戻す」。そんな決意を込めた。
 映画祭の会場は同市のサンライズもとみや。入場無料。連絡先は継承する会事務局0243(34)2175。


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2018年09月15日土曜日


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