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<自民総裁選>災害対応争点に 安倍氏「国土強靱化」石破氏「防災省新設」

 自民党総裁選(20日投開票)の争点の一つに、政府の災害対応の在り方が浮上している。石破茂元幹事長は事前対策から復興までを一元化する「防災省」構想を掲げるが、トップダウンの対応を重視する安倍晋三首相(総裁)は新設に否定的だ。北海道地震や西日本豪雨など大災害が相次いだことに加え、2020年度末で廃止となる復興庁の後継組織も含めた議論が活発化してきた。(東京支社・山形聡子)
 「災害に対応する体制がこのままでいいはずがない。全国の自治体で同じ対応がなされなければならない。(災害が起きて)どうするかではなく、起きたらどうするかを考える専任の大臣や職員が必要だ」
 10日に党本部であった総裁選の合同記者会見で、石破氏は持論である「防災省」の意義を強調した。
 現在は内閣府の防災担当が担う業務を独立させ、災害に関する経験や知識を蓄積、共有し責任体制を明確化するのが狙い。防災から復興までを一元管理する。
 防災省構想には、東日本大震災後の2012年2月に発足した復興庁の後継組織を巡る論議も関わりがある。石破氏は「復興庁を発展的にリニューアルする形を取るかもしれない」と指摘。防災省設置に懐疑的な首相に対し、明確な争点を設定した形だ。
 対する首相は防災省について「一考に値する」としながらも「災害時は全閣僚が防災担当相という自覚が大切。防災省を置いても自衛隊や海上保安庁を動かすのは首相。要は中身の問題だ」と距離を置いた。
 代わりに打ち出したのは「強靱(きょうじん)なふるさとづくり」。今後3年間で河川改修や治水などインフラ整備を集中実施する方針だ。北海道の地震では道内全域で停電が発生。台風21号では関西空港が浸水や連絡橋破損で一時全面閉鎖した。電力や交通基盤の緊急点検にも取り組む。
 党内では、二階俊博幹事長が復興、防災、国土強靱化を統括する省の新設を提言した。首相は「検討したい」ととどめた一方で、二階氏が力を入れる国土強靱化を重点施策に据え配慮をにじませた。
 復興庁の後継組織については、自民、公明両党が震災復興に向けた第7次提言で防災や危機管理の在り方も含め本格検討を求めた。自民党行政改革推進本部も5日、省庁再々編を検討する提言に「防災・原子力防災や復旧・復興に関する組織が必要」と盛り込んだ。
 大規模災害の頻発や将来の巨大地震への防災、即応態勢をどう構築するか。総裁選をきっかけに「ポスト復興庁」も絡んだ議論が本格化しそうだ。


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2018年09月16日日曜日


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