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<ツール・ド・東北>大川小遺族の鈴木さん、「風化止める」決意の力走

亡き娘を思い、旧大川小前の祭壇に手を合わせる鈴木さん=16日午前9時15分ごろ、石巻市釜谷

 「ツール・ド・東北2018」最終日の16日に実施された全6コースは、震災の津波で児童と教職員計84人が犠牲となった旧石巻市大川小の近くを通る。出走した児童遺族をはじめ多くのライダーは、コースをしばし離れて津波の猛威を伝える被災校舎に立ち寄り、手を合わせた。
 「今日はかっこいいパパの姿を見せたい」。石巻市の鈴木典行さん(53)は、亡き娘に笑顔を見せた。大川小6年だった次女真衣さん=当時(12)=の父。3年連続の参加となる今回も南三陸フォンド(170キロ)の途中、被災校舎前の祭壇に足を運んだ。
 震災伝承活動に携わる鈴木さんは「ツール・ド・東北は風化を止める手段の一つ。多くのライダーに大川小を訪れてもらい、手を合わせてほしい」と、決意も新たにコースに戻った。
 震災から7年半が過ぎて復興が進む中、目に見える傷痕は減りつつある。大川小に続々立ち寄るライダーは、時間が止まったかのような校舎に衝撃を受けていた。
 気仙沼フォンド(210キロ)に参加した名古屋市の会社員小林正一さん(52)は「大川小を見れば震災の傷痕がはっきり分かる。忘れないように伝えていってほしい」。初参加で南三陸フォンドを走った東京都三鷹市の漫画家大谷昭さん(36)は「ここまで復興を感じながら走ってきたが、震災の現実感に衝撃を受けた。みんなに見てほしい場所」と話した。


2018年09月17日月曜日


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