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<ツール・ド・東北>西日本豪雨被災地の菅さん、東北の復興進展に刺激 地元の復旧作業へ覚悟新た

力強くペダルを踏みしめ、スタートする菅さん=16日午前8時ごろ、石巻市の石巻専修大

 自転車イベント「ツール・ド・東北2018」(河北新報社、ヤフー主催)に参加したライダーたちは、東日本大震災の津波が襲った三陸沿岸を走り抜けた。人の営みが一瞬で壊滅した地域が再生に向かう姿は、西日本豪雨、熊本地震に直面した出場者の心にも深く刻まれた。「復興への思いを共有したい」。16日の北上フォンド(100キロ)を走ったライダーに思いを聞いた。

 瀬戸内海の離島、大崎上島(広島県)から参加した建設業菅尚貴さん(46)は2015年に続き2度目の出場。「道路が新しく、走りやすかった」と復興の進展を感じながら走った。
 7月の西日本豪雨の爪痕が深く残る島内で自ら重機に乗り、復旧工事に汗を流す。自宅や会社は無事だったが、島内の各所に崩落した土砂が残る。
 土日も休まず作業せざるを得ない状況だが、従業員に「頼む、行かせてくれ」と頭を下げた。
 小学生2男1女を育てるシングルファーザーでもある。実家の母親に預けた子どもたちは「頑張ってきてね」と快く送り出してくれた。「仕事と子育てに忙しい中、どうしても三陸に来たかった」と話す。
 ゴール到着後、車で大船渡市に向かった。大船渡湾で亡くなった兄の具徳さん=当時(40)=を悼むためだ。11年6月、震災の復旧工事に関わる砂利運搬船から転落した。「人を引っ張る大将タイプだった。しょっちゅうけんかもした」としのぶ。
 地元に戻れば終わりが見えない復旧工事が待っている。「広島こそ、まだまだと思えてきた」と気持ちを入れ直した。


2018年09月17日月曜日


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