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介護・育児離職防げ 秋田の企業や医療機関、人材確保策探る

介護や育児をしながら働ける職場の在り方などを考えたセミナー=11日、秋田市

 全国最速のペースで高齢化と人口減が進む秋田県で、介護や育児を理由にした離職者を減らそうと企業や医療機関が模索を続けている。若い世代の流出もあって人材不足への危機感は強い。業務改善や再就業支援の強化で働きやすい環境をつくり、マンパワーの維持、確保につなげる。
 「離職者は当事者だけでなく企業の問題でもある」
 秋田商工会議所や人材派遣のパソナ(東京)が11日に秋田市で開いた離職対策セミナー。講師の言葉に県内企業の人事担当者ら約20人がうなずいた。
 国の調査によると2016年10月〜17年9月、家族の介護や看護で仕事を辞めた人は全国約9万9000人。秋田県は約700人と比較的少ないが、職場の人手不足は慢性化している。
 講師を務めた社会保険労務士の菊地加奈子さん(横浜市)は「離職リスクを減らすため、休業制度の周知など支援環境を整えてほしい」と呼び掛けた。

<「看病の合間に」>
 人材難の上、離職が相次げば業績にも響きかねない。県内の9割強を占める中小企業は、多様な働き方で従業員をつなぎ留めようと工夫を重ねる。
 広告などを手掛けるエポックコミュニケーションズ(秋田市)は16年、在宅勤務制度を導入した。子供の急病や介護の際に利用できる。担当者は「看病の合間に仕事するなど時間の有効活用になる」と説明。社内の声掛けが増え、休みを取得しやすい雰囲気も生まれたという。
 生産計画や図面の作製を担う従業員にパソコンを貸与し、自宅で仕事できる環境を整えたのは縫製業の廣瀬産業(由利本荘市)。家庭の事情などで勤務時間に制約のある人を対象に働き方を見直した。廣瀬徹社長は「業務形態によって在宅勤務でも支障がない部署もある。対象となる職場を広げていきたい」と話す。
 離職対策は職場環境や業務の改善にもつながる。秋田商工会議所は「多様な働き方を充実させれば求職者へのアピールにもなる」と指摘する。

<現場で実務研修>
 資格が求められる医療現場は、離職者の復帰に照準を合わせる。
 県ナースセンター(秋田市)は子育てなどで離職した看護師向けに、県内の医療機関や介護施設での実務研修を組み合わせた約2週間のプログラムを組む。スムーズな職場復帰を促すのが目的だ。
 08〜18年に約100人が利用し、復帰率はおよそ7割に上る。松橋広巳センター部長は「離職期間の空白を埋めるには、現場の空気に再びなじむ機会が必要。潜在的な人材を掘り起こしたい」と意欲を見せた。


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2018年09月18日火曜日


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